編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Eppenga WL, Lalmohamed A, Geerts AF, Derijks HJ, Wensing M, Egberts A, De Smet PA, de Vries F: Risk of lactic acidosis or elevated lactate concentrations in metformin users with renal impairment: a population-based cohort study. Diabetes Care. 2014; 37: 2218-24. [PubMed]

英国の実地医家が診ている患者データの解析である。eGFR<60mL/分/1.73m2の症例では,metformin使用により乳酸アシドーシスまたは乳酸濃度上昇のハザードリスクが約6倍に上昇し,過去1年間のmetformin使用量≧730gの場合や,最近の1日metformin用量が>2gの場合には,リスクが12~13倍に上昇した。日本糖尿病学会からも「ビグアナイド薬の適正使用に関するRecommendation」が出されているが,metformin使用患者の腎機能はモニターする必要があり,eGFRが60mL/分/1.73m2以下の場合は必要に応じてmetforminの用量を減らすべきである。【片山茂裕

●目的 腎障害を有するmetformin使用の糖尿病患者において,乳酸アシドーシスまたは乳酸濃度上昇のリスクを検討し,metformin使用歴のない患者と比較した。
●デザイン コホート,レトロスペクティブ。
●試験期間 データ収集期間は2004年4月~2012年8月。
●対象患者 258,539例:metformin使用歴のある糖尿病患者223,968例,使用歴のない糖尿病患者34,571例。
●方法 臨床診療研究データリンク(CPRD)から,metformin使用患者とmetformin使用歴のない患者を特定。
時間依存型Coxモデルを用いて,腎障害,metformin用量,乳酸アシドーシス,乳酸濃度上昇(>5mmol/L)のハザード比(HR)を算出した。
●結果 乳酸アシドーシスまたは乳酸濃度上昇の粗発生率は,現在のmetformin使用患者7.4件/10万人・年,非使用患者2.2件/10万人・年であった。
metformin使用歴のない患者に比べ,使用歴のある患者のうち推算糸球体濾過量(eGFR)<60mL/分/1.73m2の症例では,現在のmetformin使用により乳酸アシドーシスまたは乳酸濃度上昇のリスクが有意に上昇した(調整HR 6.37,95%CI 1.48-27.5)。
腎機能障害を有する現在のmetformin使用患者のうち,過去1年間のmetformin使用量≧730gの場合はリスクがさらに上昇し(調整HR 11.8,95%CI 2.27-61.5),最近の1日metformin用量が>2gでもリスクがさらに上昇した(調整HR 13.0,95%CI 2.36-72.0)。
●結論 軽度~中等度の腎機能障害を有する糖尿病患者において,metformin使用により乳酸アシドーシスまたは乳酸濃度上昇のリスクが上昇した。この結果は現在の推奨と一致しており,metformin使用患者の腎機能はモニターする必要があり,推算糸球体濾過量が60mL/分/1.73m2以下の場合は必要に応じてmetforminの用量を調節すべきである。