編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Goldberg RB, Temprosa MG, Mather KJ, Orchard TJ, Kitabchi AE, Watson KE; Diabetes Prevention Program Research Group : Lifestyle and metformin interventions have a durable effect to lower CRP and tPA levels in the diabetes prevention program except in those who develop diabetes. Diabetes Care. 2014; 37: 2253-60. [PubMed]

DPPでは,すでに糖尿病発症リスクが高い耐糖能異常例において,生活習慣への積極的介入やmetformin投与により1年後にCRPが低下すること,さらに開始時のCRP値が体重と強く相関することを発表している。
今回の3.4年間に渡るフォローアップの結果より,CRPならびにtPAを低値に維持することが糖尿病発症防止に有効であることが認められた。生活習慣の乱れによる炎症反応の活性化や血液凝固傾向が血管障害の引き金となるのみならず,糖尿病発症の引き金になっていることが説明された。
metforminが体重への効果を超えてCRPを低値に維持した機序のうち,肝でのインスリン作用増強を介して血糖応答の改善以外の付加効果の解明が待たれる。【河盛隆造

●目的 DPP試験に参加した糖尿病発症の高リスク患者において,高感度C反応性タンパク質(hs-CRP),組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA),フィブリノゲンに対するmetforminまたは生活習慣介入(ILS)の長期効果を検討し,これらのマーカーに対する糖尿病発症の影響を検討した。
●デザイン 無作為化比較試験のサブ解析。
●試験期間 試験期間は3.4年。
●対象患者 糖尿病発症の高リスク患者3234例。
登録基準:空腹時血糖5.3~6.9mmol/L(アメリカン・インディアンは6.9mmol/L),2時間血糖値7.8~11.1mmol/L,25歳以上,BMI≧24kg/m2(アジア系アメリカ人は≧22kg/m2)。
除外基準:最近の心筋梗塞,冠動脈疾患の症状,重大な疾患,糖尿病の診断歴,耐糖能に影響を及ぼす薬剤の使用がある例。
●方法 DPPでは,ILS群,対象をmetformin(1700mg/日,分2)群,プラセボ群に無作為割り付け。
糖尿病は,半年ごとの空腹時血糖値,あるいは1年ごとの経口糖負荷試験結果により診断。
身体計測を6ヵ月ごとに実施し,空腹時インスリンを毎年評価。
1年後と試験終了時に,hs-CRP,tPA,フィブリノゲンを評価。
mixed modelにより,hs-CRP,tPA,フィブリノゲンに対する介入および糖尿病状況の影響を解析した。
●結果 hs-CRPとtPAは,プラセボ群では変化がみられず,ILS群とmetformin群では1年後に低下し,試験終了時まで低下を維持したが,試験期間に糖尿病を発症した患者では低下が認められなかった。フィブリノゲンは,ILS群で1年後に低下した。
hs-CRP,tPA,フィブリノーゲンは体重,インスリン抵抗性,血糖値による有意な影響を及ぼした。mixed modelによる解析では,体重は,ILS群におけるhs-CRP反応に対する糖尿病の影響に関与していたが,プラセボ群とmetformin群では関与は部分的であった。
すべての群において,体重,インスリン感受性,高血糖は,tPA反応に対する糖尿病の影響に関与していた。
●結論 ILSとmetforminはhs-CRPおよびtPAを長期間低下させた。糖尿病発症例ではこれらの改善がみられなかった。糖尿病発症には体重,インスリン抵抗性,血糖値の上昇が影響していることが示唆された。