編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Nyberg ST, Fransson EI, Heikkilä K, Ahola K, Alfredsson L, Bjorner JB, Borritz M, Burr H, Dragano N, Goldberg M, et al.; IPD-Work Consortium : Job strain as a risk factor for type 2 diabetes: a pooled analysis of 124,808 men and women. Diabetes Care. 2014; 37: 2268-75. [PubMed]

仕事上のストレスが,一般的な生活習慣からの影響とは独立して,2型糖尿病の発症リスク増加に関連しているか否かを,12万人ものデータをメタ解析して検討した報告である。
その結果,仕事上のストレスは,一般的な生活習慣の危険因子とは独立して2型糖尿病の発症に関連していることが明確に示された。
ストレスは,糖尿病患者において血糖値を上昇させる原因のひとつであることは常識であるが,今回,発症リスクを上昇させる因子であることが示された。糖尿病の発症予防には,生活習慣の改善のみならず,ストレスマネージメントも必要であることを示した貴重な論文である。【西村理明

●目的 「仕事の負担」として定義される職場でのストレスが,肥満や運動不足などの生活習慣におけるリスクファクターとは独立して2型糖尿病の発症と関連するか否かを検討した。
●デザイン メタアナリシス。
●試験期間 平均追跡期間10.3年。
●対象患者 124808例:IPD-Work Consortiumに参加する13の欧州コホート研究の登録例のうち,糖尿病のない成人。女性77,802例,男性54,006例。平均年齢44.1歳。
●方法 仕事の負担はベースライン時の質問票により測定。追跡期間中の2型糖尿病の発症は国民の健康調査記録,臨床スクリーニング,自己報告によって確認した。
Cox 回帰分析により各コホート研究を解析し,固定効果モデルメタアナリシスにおける研究の推定値を統合した。
●結果 平均追跡期間に糖尿病を発症したのは3,703例であった。年齢,性別,社会経済的状態で調整後,仕事の負担がない人と比較して,負担のある人の糖尿病発症のハザード比は1.15(95%CI 1.06-1.25)であった。糖尿病の発症に性差ははなく,ハザード比は男性で1.19(95%CI 1.06-1.34),女性で1.13(95%CI 1.00-1.28)であった。
層別解析では,仕事の負担は,健康であるが不健康な生活習慣のある人において,糖尿病リスクの増加と関連していた。年齢,性別,社会経済的状態,生活習慣について調整後の多変数モデルでは,ハザード比は1.11(95%CI 1.00-1.23)であった。
●結論 仕事の負担は,男女ともに生活習慣因子から独立した2型糖尿病の危険因子であることが示唆された。