編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Morgan CL, Mukherjee J, Jenkins-Jones S, Holden SE, Currie CJ: Association between first-line monotherapy with sulphonylurea versus metformin and risk of all-cause mortality and cardiovascular events: a retrospective, observational study. Diabetes Obes Metab. 2014; 16: 957-62. [PubMed]

後ろ向き解析の結果,初期治療としてSU薬を投与する群に比べ,metforminを投与する群で全死亡が低下したことが明らかとなった。本結果からSU薬投与により死亡率が増加したのか,metformin投与により死亡率が減少したのかは明らかではないが,おそらくはSU薬による低血糖頻度の増加とmetforminの癌に対する有益な作用が相まって,この差をもたらした可能性が強いと考えられる。【綿田裕孝

●目的 2型糖尿病患者において,一次治療としてのスルホニル尿素薬(SU)単独投与とmetformin単独投与が全死亡および主要有害心血管イベント(MACE)に与える影響を比較した。
エンドポイントは全死亡,MACE。
●デザイン コホート研究。
●試験期間 追跡期間は,metformin群は平均2.9年,SU群3.1年。
●対象患者 2型糖尿病の診断を受け,血糖降下治療(SUまたはmetformin)を開始した患者。metformin群76,811例,SU群15,687例。directly matched cohort解析対象は各群2,604例,propensity matched cohort解析対象は各群8,836例。
SU薬の種類は,gliclazideは82.5%,glimepirideは7.0%,glipizideは4.5%,glibenclamideは4.0%,tolbutamideは1.9%。
●方法 Clinical Practice Research Datalinkに登録されたプライマリケア医による診療600件以上のデータを使用。
全例を対象とした主要解析以外に,感度解析として,directly matched解析およびpropensity matched解析を実施し,調整ハザード比(HR)を算出した。
主要解析ではベースライン変数による調整を行った。
directly matched解析では,SU群の患者とmetformin群の患者を,年齢(±2歳),性別,投与年,糖尿病罹病期間(±1年),BMI(±3kg/m2),血清クレアチニン(±10μmol/L),HbA1c(±1%[±11mmol/mol])によりマッチング。
propensity matched解析では,SU群の患者とmetformin群の患者を,年齢,性別,血清クレアチニン,HbA1c,BMI,喫煙状況,収縮期血圧,総コレステロール,前年におけるプライマリケアとのコンタクト,降圧薬処方歴,脂質低下薬処方歴,抗血小板薬処方歴,Charlson指標,癌既往,MACEの状況によりマッチングした。
●結果 いずれの解析法においても,全死亡リスクは,SU群でmetformin群にくらべて有意に上昇した。全死亡のハザード比(HR)は,主要解析では1.580(95%信頼区間1.483-1.684,p<0.001),propensity matched解析では1.902(1.733-2.088,p<0.001),directly matched解析では1.272(1.021-1.584,p=0.032)であった。MACEのHRは,それぞれ1.196(1.090-1.313,p<0.001),1.202(1.001-1.442,p<0.001),0.814(0.578-1.148,p=0.241)。(propensity matched解析でのHRはいずれも未調整)
●結論 2型糖尿病患者において,SU薬単独投与は,metformin単独投与にくらべ,全死亡リスクが有意に増加した。