編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Liu C, Wu D, Zheng X, Li P, Li L: Efficacy and Safety of Metformin for Patients with Type 1 Diabetes Mellitus: A Meta-Analysis. Diabetes Technol Ther. 2014; [PubMed]

1型糖尿病患者におけるmetforminの有用性を検討したRCT 8論文に関するメタ解析である。その結果,metforminを追加することは,HbA1c,空腹時血糖値,中性脂肪には影響を与えないが,インスリン投与量,体重,総コレステロール,LDL-コレステロール等を有意に減らすこと,低血糖や糖尿病ケトアシドーシスのリスクを増加させないことが示された。
本解析で使用された論文の最大登録人数は100名,最長追跡期間は1年である。また,各論文間で結果が異なることも指摘されている。
1型糖尿病患者におけるmetforminの有用性を,大規模かつ長期間にわたる研究で検討すべきであることを本論文は示している。【西村理明

●目的 1型糖尿病患者において,metforminの臨床的有効性と安全性をメタアナリシスにて検討した。
エンドポイントはHbA1c,空腹時血糖(FPG),脂質代謝,体重,インスリン用量,低血糖,糖尿病性ケトアシドーシス,胃腸の有害事象。
●デザイン メタアナリシス。
●試験期間
●対象患者 1型糖尿病患者。
研究論文の採用基準:RCT,治療期間≧12週,metforminとプラセボをパラレルまたはクロスオーバーで比較。HbA1cの変化,FPGの変化,脂質代謝,体重変化,インスリン用量,低血糖,糖尿病ケトアシドーシス,または胃腸の有害事象について検討されたデータを報告している研究。
●方法 Medline,EMBASE,およびCochrane Libraryより,以下の用語を検索語に用いて検索(~2014年5月)。
(1)“metformin” and (2)“diabetes mellitus, type 1” or “type 1 diabetes” or “insulin dependent diabetes.”
検索・抽出された論文は2名が独立して評価(相違は議論により解決。必要な場合は,第三者の確認のもとで合意を得た)。
●結果 2014年5月までに発表された,1型糖尿病に関するRCT8件を解析した。
メタアナリシスの結果,metformin群ではプラセボ群にくらべ,インスリンの1日投与量(units/日)(平均差[MD]-1.36,95%信頼区間-2.28 to -0.45,p=0.004,df=4[p<0.00001],I2=89%),体重(kg)(MD-2.41,-4.17 to -0.65,p=0.007,df=3[p=0.0003],I2=84%),総コレステロール値(mmol/L)(MD-0.25,-0.46 to -0.05,p=0.02,df=2[p=0.01],I2=78%),LDL値(mmol/L)(MD-0.24,-0.41 to -0.07,p=0.005,df=2[p=0.02],I2=76%),HDL値(mmol/L)(MD-0.05,-0.08 to -0.03,p<0.00001)が減少したが,胃腸の有害事象が増加した(リスク比[RR]1.38,95%信頼区間1.10 – 1.74,p=0.005,df=5[p=0.02],I2=62%)。HDL値の結果を除き,いずれも試験間の有意な異質性が認められた。
HbA1c値(%),FPG値(mmol/L),トリグリセリド値(mmol/L)については,有意な群間差を認めなかった。また,重篤な低血糖,糖尿病ケトアシドーシスの発症リスクについても有意な群間差を認めなかった。
●結論 1型糖尿病患者において,metforminは一日のインスリン投与量,体重,LDLおよびHDL-コレステロールを減少させる可能性がある一方で,metforminは低血糖および糖尿病ケトアシドーシスの発症を増加させないことが示唆された。