編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Lind M, Svensson AM, Kosiborod M, Gudbjörnsdottir S, Pivodic A, Wedel H, Dahlqvist S, Clements M, Rosengren A: Glycemic control and excess mortality in type 1 diabetes. N Engl J Med. 2014; 371: 1972-82. [PubMed]

多数の1型糖尿病患者の予後を追跡した貴重な研究である。
2型糖尿病と同様に,発症直後からのより良好な血糖コントロールが必須であることを明快に示している。一方,癌による死亡率は非1型糖尿病群と比較して差はなかった。1型糖尿病の治療においては,発症早期より,低血糖を避けつつ,HbA1c 6.5% 前後を維持すべく十分量のインスリンを緻密に投与し続けることが求められる。【河盛隆造

●目的 1型糖尿病患者において,血糖コントロールが死亡リスクに与える影響を検討した。
●デザイン 観察研究。
●試験期間 平均追跡期間は糖尿病患者8.0年,対照例8.3年(ベースラインから2011年12月31日まで)。
●対象患者 スウェーデンの18歳以上の1型糖尿病患者33,915例,対照169,249例。
平均年齢はそれぞれ35.8歳,35.7歳。女性はともに45.1%。
1型糖尿病は,インスリン治療および30歳以下のときに診断を受けた者と定義した。
●方法 Swedish National Diabetes Register(1998年1月1日~2011年12月31日)を使用。
対照は,1型糖尿病患者1例に対して,年齢,性別,および国でマッチングさせた5例をスウェーデンの一般住民から無作為に抽出した。
血糖コントロールが全死亡および心血管死に与える影響を検討するため,糖尿病患者をベースラインのHbA1c値で下記の5つにカテゴリー分けし,それぞれ対照に対するハザード比(HR)を算出した。
HbA1c≦6.9%(6,142例),7.0~7.8%(7,759例),7.9~8.7%(8,951例),8.8~9.6%(5,442例),≧9.7%(4,000例),データ紛失(1,621例)
HRはCox回帰に基づき,time-updated年齢,性別,time-updated糖尿病罹病期間,出生地がスウェーデンまたはそれ以外,教育レベル,time-updated既往症(冠動脈性心疾患,急性心筋梗塞,脳卒中,心不全,心房細動,および癌)により調整した。
●結果 糖尿病患者では対照例にくらべ,全死亡リスク(HR 3.52,95%信頼区間3.06-4.04)および心血管死リスク(HR 4.60,3.47-6.10)が有意に高かった。
糖尿病患者をHbA1c値でカテゴリー分けした評価では,対照例に比した全死亡リスクは,HbA1c≦6.9%ではHR 2.36(1.97-2.83),7.0~7.8%ではHR 2.38(2.02-2.80),7.9~8.7%ではHR 3.11(2.66-3.62),8.8~9.6%では3.65(3.11-4.30),≧9.7%では8.51(7.24-10.01)と,HbA1c値が上昇するにつれて,全死亡リスクも上昇した。
心血管死リスクについても,HR 2.92(2.07-4.13),3.39(2.49-4.61),4.44(3.32-5.96),5.35(3.94-7.26),10.46(7.62-14.37)と,糖尿病患者のHbA1c値が上昇するにつれて上昇した。
●結論 1型糖尿病でHbA1c≦6.9%の患者における全死亡リスクおよび心血管死リスクは,対照群の2倍以上であった。