編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Li N, Katzmarzyk PT, Horswell R, Zhang Y, Li W, Zhao W, Wang Y, Johnson J, Hu G: BMI and coronary heart disease risk among low-income and underinsured diabetic patients. Diabetes Care. 2014; 37: 3204-12. [PubMed]

BMIとCHDによる死亡について検討した成績は多いが,CHD発症リスクとの関連を検討したものは少ない。そのうえ,糖尿病患者を対象とした検討でも,その結果はさまざまである。
今回の3万人規模での前向き研究では,男性・女性ともBMIとCHD発症リスクに有意な関連があり,男性ではより強かった。この関係は最終診察時にも認められ,女性ではBMI 25~34.9の群でもっともCHD発症リスクが低いというU字型の関連がみられた。BMIの低い群で他の疾患の存在や喫煙による体重減少など,いわゆる因果の逆転にも注意する必要があるが,さらなる検討が必要である。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,肥満と冠動脈疾患(CHD)発症との関連を検討した。
一次エンドポイントはCHD発症。
●デザイン コホート(米国ルイジアナ州7施設)。
●試験期間 登録期間は1999年1月~2009年12月31日,平均追跡期間は7.3年。
●対象患者 30,434例:新たに診断された2型糖尿病患者。
糖尿病の診断基準は,米国糖尿病協会の基準(空腹時血糖値≧126mg/dL,75gOGTTで2時間血糖値≧200mg/dL,典型的症状が1つ以上,無作為血糖値≧200mg/dL)に準ずる。
登録基準:30~95歳,CHD・脳卒中の既往なし,アフリカ系アメリカ人/白人。
除外基準:BMI<18.5 kg/m2
●方法 BMIとCHD発症との関連を検討するため,Cox比例ハザードモデルを用いてハザード比(HR)を算出した。BMIは,男女別に5つのカテゴリー(BMI 18.5~24.9[対照],25~29.9,30~34.9,35~39.9,≧40)に分けた解析と,連続変数による解析を実施した。
●結果 平均7.3年の追跡期間におけるCHDの発症は7,414例(男性2,926例,女性4,488例)であった。
多変量(年齢,人種,喫煙状況,収入,保険の種類)調整後のCHD発症リスクは,男性では,対照(BMI 18.5~24.9)にくらべ,BMI 25~29.9ではHR 1.14(95%信頼区間1.00-1.29),BMI 30~34.9ではHR 1.27(1.12-1.45),BMI 35~39.9ではHR 1.54(1.34-1.78),BMI≧40ではHR 1.42(1.23-1.64)であり(P for trend<0.001),女性では,それぞれHR 0.95(0.85-1.07),HR 0.95(0.84-1.06),HR 1.06(0.94-1.20),HR 1.09(1.00-1.22)であった(P for trend<0.001)。
さらに他の交絡因子(収縮期血圧,HbA1c,LDL-C,HDL-C,トリグリセリド,推算糸球体濾過量,降圧薬の使用,糖尿病治療薬の使用,コレステロール低下薬の使用)を加えて調整しても,BMIとCHD発症リスクとの関連は男女ともに有意であった。
BMIを連続変数で検討すると,BMIが1 kg/m2増加するごとのCHD発症リスクは,男性ではHR 1.015(95%信頼区間1.011-1.020),女性ではHR .004(1.001-1.008)であった。また,CHD発症リスクにおいて,性別とBMIとの有意な相互関係が認められ(χ2=9.86,P<0.005),男性のほうが女性よりもリスクが強かった。最終診察時のBMIとCHD発症リスクは男性では同様な傾向であったが,女性ではU字型の関連が認められた。
●結論 2型糖尿病患者において,ベースラインのBMI値と追跡期間におけるCHD発症リスクとの間に有意な関連があり,また女性患者では最終診察時のBMIとCHD発症リスクにはU字型の関連が認められることが示唆された。