編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Nordwall M, Abrahamsson M, Dhir M, Fredrikson M, Ludvigsson J, Arnqvist HJ: Impact of HbA1c, followed from onset of type 1 diabetes, on the development of severe retinopathy and nephropathy: the VISS Study (Vascular Diabetic Complications in Southeast Sweden). Diabetes Care. 2015; 38: 308-15. [PubMed]

35歳未満の2型糖尿病患者を20年以上にわたって追跡した貴重な研究である。平均HbA1cが7.6%以下であれば,増殖性網膜症と持続性顕性アルブミン尿症への進展が防止されるという知見が得られた。納得できる成績ではあるが,すでに多くの報告があるように,罹病期間が長くなるにつれ,平均HbA1cが7%以上の場合,心血管イベントおよび総死亡率が高まることが認められている。以前とは異なり,とくにこの数年間は優れたインスリンアナログが広く用いられるようになり,より緻密な血糖コントロールが1型糖尿病患者でも可能となってきた。長期にわたって低血糖を起こさず,かつ食後高血糖を惹起しないインスリン療法を実効することが重要である。【河盛隆造

●目的 1型糖尿病患者において,診断後のHbA1cが重度の細小血管合併症の予測因子であるかを評価し,HbA1cの治療目標値を検討した。
●デザイン 観察研究。
●試験期間 追跡期間は平均22.1±2.0年。
●対象患者 451例:スウェーデン南東部在住で1983~1987年に診断された<35歳の1型糖尿病患者。
●方法 眼底撮影により網膜症を評価し,医療記録から腎症のデータを収集。HbA1cは診断時から継続的に年2~4回評価し,長期加重平均HbA1cを算出した。
HbA1cレベル別(<6.7%,6.8~7.6%,7.7~8.6%,8.6~9.5%,>9.5%)に合併症リスクを解析した。
●結果 収集できたHbA1cデータは24,640件で,1例あたり平均54.9±17.6件であった。
増殖性網膜症と持続性顕性アルブミン尿の発生は急激に増加し,長期加重平均HbA1cが上昇するほど発症時期が早まった。
増殖性網膜症と持続性顕性アルブミン尿の発生率は,長期加重平均HbA1c<7.6%の場合はいずれも0%で,>9.5%の場合はそれぞれ51%,23%であった。
●結論 1型糖尿病患者において,診断後から評価した長期加重平均HbA1cは,重度細小血管合併症の進展と密接な関連が認められた。HbA1cの治療目標を<7.6%とすることにより,20年間の増殖性網膜症と持続性顕性アルブミン尿が予防できると示唆される。