編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2017年11月現在,1127報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Tikkanen I, Narko K, Zeller C, Green A, Salsali A, Broedl UC, Woerle HJ; EMPA-REG BP Investigators : Empagliflozin reduces blood pressure in patients with type 2 diabetes and hypertension. Diabetes Care. 2015; 38: 420-8. [PubMed]

SGLT2阻害薬empagliflozinは血糖のみならず血圧降下作用を示した。糖尿病,高血圧いずれも心血管疾患の危険因子であり,この双方に改善効果を有するSGLT2阻害薬が果たして実際に心血管保護作用を有するか否かは興味深い。
米国FDAは,糖尿病治療薬については治験段階から心血管イベントに関するデータの収集を求め,市販後のデータも含めてメタ分析ができるよう求めている。
一方,SGLT2阻害薬は脱水との関連から脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まることが懸念されている。今後の検討が待たれる。【景山 茂

●目的 高血圧を有する2型糖尿病患者において,SGLT2阻害薬empagliflozinの有効性,安全性,忍容性を検討した。
主要評価項目は,HbA1cの変化。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,第3相。
●試験期間 登録期間は2011年6月~2012年7月。試験期間は12週。
●対象患者 823例:高血圧を有する2型糖尿病患者。
登録基準:平均座位診察室血圧130~159/80~99mmHg,≧18歳,BMI≦45kg/m2,HbA1c≧7.0~≦10.0%。
除外基準:空腹時血糖>239 mg/dLのコントロール不良高血糖,導入期間の平均座位血圧≧160/100mmHg,二次性高血圧,高血圧性網膜症,高血圧性脳症,腎障害(eGFR<60 mL/min/1.73 m2,),肝疾患,3ヵ月以内の急性冠症候群・脳卒中・一過性虚血発作,3ヵ月以内の抗肥満薬使用,2年以内の肥満手術,2型糖尿病以外のコントロール不良の内分泌疾患。
●方法 empagliflozin 10mg群(276例),25mg群(276例),プラセボ群(271例)に無作為に割り付け,1日1回投与。
2剤以下の降圧による降圧治療を実施し,24時間自由行動下血圧測定(ABPM)を行った。
●結果 12週後の24時間収縮期血圧(SBP)変化についてのプラセボ群に対する調整平均差は,empagliflozin 10mg群-3.44mmHg(95%CI-4.78 to -2.09,p<0.001),25mg群-4.16mmHg(95%CI-5.50 to -2.83,p<0.001)であった。24時間拡張期血圧(DBP)変化についてのプラセボ群に対する調整平均差は,empagliflozin 10mg群-1.36mmHg(95%CI-2.15 to -0.56,p<0.001),25mg群-1.72mmHg(95%CI-2.51 to -0.93,p<0.001)であり,SBP,DBPともプラセボ群に比べempagliflozin群のほうがベースラインからの変化は有意に大きかった。診察室血圧の変化はABPMの変化と一致。
12週後のHbA1c変化についてのプラセボ群に対する調整平均差は,empagliflozin 10mg群-0.62%(95%CI-0.72 to -0.52,p<0.001),25mg群-0.65%(95%CI-0.75 to -0.55,p<0.001)であった。
12週後の体重変化についてのプラセボ群に対する調整平均差は,empagliflozin 10mg群-1.49kg(95%CI-1.85 to -1.13,p<0.001),25mg群-1.98kg(95%CI-2.33 to -1.62,p<0.001)であった。
empagliflozinの忍容性は良好で,脱水に一致するイベントを認めたのは,プラセボ群1例,empagliflozin 10mg群1例であった。
●結論 高血圧を有する2型糖尿病患者において,empagliflozinはプラセボに比し,血圧とHbA1cの低下が有意に大きく,忍容性は良好であった。