編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Di Angelantonio E, Gao P, Khan H, Butterworth AS, Wormser D, Kaptoge S, Kondapally Seshasai SR, Thompson A, Sarwar N, Willeit P, et al.; Emerging Risk Factors Collaboration: Glycated hemoglobin measurement and prediction of cardiovascular disease. JAMA. 2014; 311: 1225-33. [PubMed]

●目的 糖尿病の既往のない中高年齢者において,従来の心血管危険因子にHbA1c値を加えた場合,心血管疾患(CVD)初回発症の予測能が改善するかを検討した。
一次アウトカムは初回発症CVD(致死性/非致死性の冠動脈性心疾患および脳卒中)。
●デザイン 前向きコホート研究の統合解析。
●試験期間 追跡期間中央値は9.9年(四分位範囲7.6~13.2)。
●対象患者 294,998例(前向きコホート研究73件):糖尿病/CVDの既往のない中高年齢者。平均年齢58歳,女性49%,ヨーロッパ/北米に在住86%。平均HbA1c 5.37%,空腹時血糖96 mg/dL,随時血糖99 mg/dL,ブドウ糖負荷血糖125 mg/dL。
研究の採用基準:HbA1c/空腹時/随時/負荷血糖値を測定している,ベースラインの情報(年齢,性別,喫煙状況,糖尿病歴,収縮期血圧,総コレステロール,HDLコレステロール)がある前向きコホート研究,地域住民を対象としている(採用基準は病歴ではない),追跡期間における明確に定義された死因別死亡かつ/または心血管疾患(非致死性心筋梗塞または脳卒中)の発生を記録している,追跡期間1年以上を記録している研究。
●方法 従来のCVD危険因子(年齢,性別,喫煙,収縮期血圧,総コレステロール,HDL-コレステロール)を用いてCVDリスク予測モデルを設定し,それにHbA1c,およびその他の血糖値を加えた場合のCVDリスク予測能をC-indexにより検討した。
●結果 9.9年(中央値)の追跡期間中、致死性/非致死性CVDの発症は20,840件(冠動脈性心疾患13,237件,脳卒中7,603件)であった。
従来のCVD危険因子で調整すると,HbA1cとCVD発症リスクにJ型の関連が認められた。
HbA1cとCVD発症リスクの関連は総コレステロール,トリグリセリド,およびeGFRで調整しても,ほとんど変化しなかったが,HDLコレステロールまたはC反応性蛋白で調整すると,この関連は幾分か減少した。
従来の心血管危険因子にHbA1c(13試験,3,271/70,916例)(増分C-index 0.0018,95%信頼区間0.0003-0.0033),空腹時血糖(25試験,9,560/95,198例)(増分C-index 0.0013,0.0007-0.0018),随時血糖(22試験,5,152/92,504例)(増分C-index 0.0005,-0.0002-0.0013),負荷血糖(10試験,5,519/38,532例)(増分C-index 0.0004,-0.0001-0.0009)をそれぞれ追加した場合のCVDリスク予測能はわずかに増加した。しかしながら,10年CVDリスク予測へのHbA1c追加によるnet reclassificaionについては,有意な改善は認められなかった(0.42,-0.63-1.48)。
●結論 CVD/糖尿病のない中高年齢者において,CVDリスク評価においてHbA1c値を追加しても,CVDリスク予測能はほとんど改善しなかった。