編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Zannad F, Cannon CP, Cushman WC, Bakris GL, Menon V, Perez AT, Fleck PR, Mehta CR, Kupfer S, Wilson C, et al.; EXAMINE Investigators : Heart failure and mortality outcomes in patients with type 2 diabetes taking alogliptin versus placebo in EXAMINE: a multicentre, randomised, double-blind trial. Lancet. 2015; 385: 2067-76. [PubMed]

saxagliptin投与による心不全入院の増加を示したSAVOR-TIMI 53をうけて,EXAMINEの症例を用いてDPP-4阻害薬による心不全入院の増加が認められるか否かを検討したものである。
その結果,DPP-4阻害薬による心不全入院の有意な増加を示すデータは得られなかった。また,最近発表されたTECOSにおいても同様な結果であったことから,SAVOR-TIMI 53でのsaxagliptinによる心不全入院の増加は,偶然またはDPP-4阻害薬間の差に起因するものと考えられる。【綿田裕孝

●目的 急性冠症候群を最近発症した2型糖尿病患者において,DPP-4阻害薬alogliptinとプラセボの心不全アウトカムを比較検討した。
事前設定予備エンドポイントは,主要有害心イベント(MACE)(全死亡+非致死性心筋梗塞+非致死性脳卒中+不安定狭心症による緊急血行再建術+心不全による入院の複合)。
本post-hoc解析のエンドポイントは,心血管死+心不全による入院(心不全既往,脳性利尿ペプチド[BNP]により層別)。
●デザイン EXAMINEのpost-hoc解析。
●試験期間 登録期間は2009年10月~2013年3月,追跡期間(中央値)は533日(四分位範囲280~751日)。
●対象患者 5,380例:過去15~90日以内に急性冠症候群イベントを発症した2型糖尿病患者。
EXAMINEの採用基準:糖尿病治療薬を使用(DPP-4阻害薬またはGLP-1拮抗薬は除く),HbA1c 6.5~11.0%(糖尿病治療にインスリンが含まれる場合は7.0~11.0%)。
EXAMINEの除外基準:1型糖尿病,不安定心疾患(NHYA心機能分類IVの心不全),難治性の狭心症,コントロールされていない不整脈,重篤な弁膜心疾患,重篤なコントロール不良高血圧,スクリーニング前14日以内の透析。
●方法 EXAMINEでは,alogliptin群(2,701例)とプラセボ群(2,679例)にランダム化。
alogliptinはベースラインの腎機能に応じて投与量を調整(eGFR≧60mL/分/1.73m22は12.5mg/日,eGFR<30mL/分/1.73m2 本解析では,ベースライン時の心不全既往の有無,脳性利尿ペプチド(BNP),N-terminal pro BNP値によるサブグループでの評価も実施した。
●結果 事前設定予備エンドポイントMACEの発症は,alogliptin群(433例[16.0%]),プラセボ群(441例[16.5%])で有意な差を認めず(ハザード比[HR] 0.98,95%信頼区間0.86-1.12),エンドポイント各項目についても,心不全による入院(HR 1.07,0.79-1.46)も含め,いずれも有意な差を認めず,両群同様であった。
本post-hoc解析のエンドポイントである,心血管死+心不全による入院の複合は,全例(HR 1.00,0.82-1.21),心不全既往患者(HR 0.90,0.70-1.17),心不全非既往患者(HR 1.14,0.85-1.54)のいずれにおいても,有意な差を認めず両群同様であった。また,alogliptin群,プラセボ群ともに,ベースラインのBNP値が高い人ほど,心血管死+心不全による入院の発生リスクが高くなったが,有意な群間差はなく,両群同様であった。NT-pro BNP値は両群ともにそれぞれ有意に減少したが,有意な群間差はなく,両群同様であった。
●結論 最近急性冠症候群を発症した2型糖尿病患者において,alogliptinは心不全アウトカムの発生リスクを増加させなかった。