編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ferrie JE, Kivimäki M, Akbaraly TN, Tabak A, Abell J, Davey Smith G, Virtanen M, Kumari M, Shipley MJ: Change in Sleep Duration and Type 2 Diabetes: The Whitehall II Study. Diabetes Care. 2015; 38: 1467-72. [PubMed]

多くの疫学調査から,睡眠時間と2型糖尿病発症の関係が明確になっている。
睡眠時間が5.5時間以下である際には,インスリン分泌の低下,インスリン抵抗性の増大,インスリン拮抗ホルモンであるカテコラミン,コルチゾール,成長ホルモンなどの分泌の亢進,レプチン分泌低下,グレリン分泌亢進,それに伴う過食などの因子が2型糖尿病発症リスクを高めることがすでに証明されている。一方で,睡眠時間が長い際にも2型糖尿病発症リスクが高まることも一致した結果である。その機序として,他の疾患があり,そのためにベッドに入っている時間が長いことが挙げられていた。今回の研究から,身体活動によるエネルギー消費の減少が体重増加などをきたして,2型糖尿病発症リスクを高めている可能性が示された。【河盛隆造

●目的 5年間の睡眠時間の変化と2型糖尿病発症との縦断的な関連を検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 登録期間は1985~1988年。
●対象患者 10,308例:35~55歳の糖尿病を認めない英国の公務員。
●方法 4つの期間(1985~1988年から1991~1994年,1991~1994年から1997~1999年,1997~1999年から2002~2004年,2002~2004年から2007~2009年)の睡眠時間の変化を評価し,それに続く4つの期間(1991~1994年から1997~1999年,1997年~1999年から2002~2004年,2002~2004年から2007~2009年)の2型糖尿病発症を評価した。
2型糖尿病の発症は,空腹時血糖(≧7.0mmol/L[126mg/dL]),経口糖負荷試験(空腹時血糖≧7.0mmol/L[126mg/dL]または負荷後2時間値≧11.1mmol/L[199.7mg/dL]),HbA1c≧6.5%とした。
●結果 平均睡眠時間が一定して7時間の場合に対し,睡眠時間の増加≧2時間の場合,年齢と性別を調整後の2型糖尿病発症のオッズ比は1.83(95%CI 1.28-2.60)であった。さらに,民族と役職(オッズ比1.65[95%CI 1.15-2.37]),およびBMIと体重変化(オッズ比1.50[95%CI 1.04-2.16])で調整後は,この関連性が減弱した。
睡眠時間≦5.5時間の場合,平均睡眠時間が7時間の場合に対する年齢,性別,民族,役職を調整後のオッズ比は1.35(95%CI 1.04-1.76)であり,さらにBMIと体重変化を調整すると1.25(95%CI 0.96-1.63)と関連性が減弱した。
●結論 睡眠時間の延長は2型糖尿病発症リスクを上昇させ,過体重や体重増加はこの関連性の原因の一部となっていることが示唆された。