編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Sjöholm K, Pajunen P, Jacobson P, Karason K, Sjöström CD, Torgerson J, Carlsson LM, Sjöström L, Peltonen M: Incidence and remission of type 2 diabetes in relation to degree of obesity at baseline and 2 year weight change: the Swedish Obese Subjects (SOS) study. Diabetologia. 2015; 58: 1448-53. [PubMed]

本研究は,肥満患者ならびに肥満を伴う2型糖尿病患者を対象に,追跡開始時のBMIならびに2年間のBMIの変化が,肥満患者においては糖尿病の発症に及ぼす影響を,肥満を伴う2型糖尿病患者においては2型糖尿病の寛解に及ぼす影響を検討している。
追跡開始時のBMI,もしくは追跡期間中のBMIの変化のいずれかが,糖尿病の発症もしくは寛解により影響を与えるのかを検討している点は非常に興味深い。
その結果,ベースラインのBMIよりも,2年間の体重減少が,糖尿病の発症もしくは寛解に大きく影響していたことが明らかにされた。
これは,今後の糖尿病患者における生活習慣への介入,ならびに糖尿病の発症予防の方策を決定するときには極めて重要な知見となる。ただし,2年間だけではなく,より長期的な体重減少が持続可能なのか,糖尿病発症・寛解への影響も持続するのかについても検証する必要があるだろう。【西村理明

●目的 肥満患者において,2型糖尿病の発生率と寛解率をベースラインのBMIと体重変化別に検討した。
●デザイン 多施設(スウェーデン480施設),前向きコホート研究。
●試験期間 登録期間は1987年9月1日~2001年1月31日。追跡期間は2年。
●対象患者 3485例:減量手術または従来治療を行っている肥満患者。
登録基準:37~60歳,BMI≧34kg/m2(男性)または38kg/m2(女性)。
除外基準:胃または十二指腸潰瘍の手術歴,減量手術歴,6ヵ月以内の胃潰瘍,悪性腫瘍または5年以内の活動性悪性腫瘍,6ヵ月以内の心筋梗塞,過食症,薬剤またはアルコール乱用,減量手術が禁忌の精神疾患または協調運動障害や状態(グルココルチコイドまたは抗炎症薬による長期治療など)。
●方法 患者を,ベースラインのBMI別(<35,35~40,40~45,≧45kg/m2),2年後のBMIの変化別(体重増加[BMI unit≧1],体重変化なし[BMI unit<1],軽度体重減少[BMI unit-1 to-9],中等度体重減少[BMI unit -10 to -14],大幅な体重減少[BMI unit≧-15])に分類し,ロジスティック回帰分析により2年後の2型糖尿病発症および寛解を比較した。
●結果 ベースラインのBMI別とBMIの変化別をあわせた 糖尿病発症率は,体重変化なしの患者では,<35kg/m2で5.5%,35~40kg/m2で7.4%,40~45kg/m2で8.3%,≧45kg/m2で5.2%であった。軽度体重減少の患者では,35~40kg/m2で1.3%,40~45kg/m2で1.2%,≧45kg/m2で3.4%であった。中等度体重減少および大幅な体重減少の患者では,いずれも≦0.5%であった。
ベースライン時に糖尿病であった症例における寛解率は,体重変化なしの患者で15.3~26.9%,軽度体重減少の患者で48.1~70%,中等度体重減少および大幅な体重減少患者で77~97%であった。
2年後の体重減少が同程度の場合,糖尿病の発症と寛解についてベースラインのBMIによる有意差は認められなかった。
●結論 肥満患者において,2型糖尿病の発症と寛解に対する体重減少の有益な作用は,ベースラインのBMIとは独立していた。