編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Leese GP, Stratton IM, Land M, Bachmann MO, Jones C, Scanlon P, Looker HC, Ferguson B; Four Nations Diabetic Retinopathy Screening Study Group : Progression of diabetes retinal status within community screening programs and potential implications for screening intervals. Diabetes Care. 2015; 38: 488-94. [PubMed]

本検討の結果は日常診療での経験に一致している。内科医は,推定罹病期間,その間の血糖コントロール状況,現在の糖尿病治療薬の内容や網膜症の状況を常に念頭に置きながら,眼科医への紹介頻度に配慮している。網膜症の治療は以前に比べて格段に進み,黄斑症や増殖網膜症の治療手段も増えた。網膜症が進行しているほど,より高頻度での眼科医の受診を勧めたい。【河盛隆造

●目的 ルーチンに網膜検査を実施している糖尿病患者において,糖尿病網膜症への進行率を推定し,異なるリスク層の患者に対する最適な検査間隔を探索した。
●デザイン 後ろ向きコホート研究,多施設(イギリス,7施設)。
●試験期間 追跡期間(中央値)3年。
●対象患者 354,549例:非網膜症/背景網膜症の糖尿病患者。
●方法 7つの糖尿病網膜症スクリーニングプログラムのデータ(2005~2012年)を使用した。
ベースライン時の2回のスクリーニングで,片眼または両眼に「網膜症なし」または「背景網膜症(微細動脈瘤,網膜出血,滲出液,Early Treatment of Diabetic Retinopathy Studyスコア20~35)を有する」かによって,患者を9つにリスク分類し,本研究ではそのうちの「高リスク例(両眼に背景網膜症あり,NHS Diabetic Eye Screening Programme[DESP]スコアR1/R1[リスクレベル1])」,「中等度リスク例(片眼に背景網膜症あり,NHS DESPスコアR1/R0[リスクレベル5])」,「低リスク例(NHS DESPスコアR0/R0[リスクレベル9])」のグループについて検討を行った。
●結果 追跡期間中に糖尿病網膜症へと進行した患者は16,196例で,糖尿病網膜症への進行は,ベースライン時の網膜所見と関連した。
低リスク者(リスクレベル9)における2年後の糖尿病網膜症への進行率は0.3%(95%信頼区間0-0.8)~1.3%(1-1.6)と低かったが,中等度リスク者(リスクレベル5)では1.5%(0.4-8)~9.1%(5.5-14),高リスク者では13%(8.6-19.2)~28.8%(21.8-34.8)と著しく高くなった。
●結論 ベースラインの網膜基準によって,増殖網膜症への進行リスクが低~高い患者に層別化できる可能性が示唆された。