編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Bazick J, Donithan M, Neuschwander-Tetri BA, Kleiner D, Brunt EM, Wilson L, Doo E, Lavine J, Tonascia J, Loomba R: Clinical Model for NASH and Advanced Fibrosis in Adult Patients With Diabetes and NAFLD: Guidelines for Referral in NAFLD. Diabetes Care. 2015; 38: 1347-55. [PubMed]

本検討では,肝生検を行ったNAFLD合併2型糖尿病症例の横断的検討から,NASH症例,線維化進展症例をスクリーニングしうる因子を探索した。そして,それらの因子を用いてNASH症例,線維化進展症例のスクリーニングが可能であることを示しているが,他のコホートでこの計算式が有用であるかは不明である。また,一般的に用いられる臨床データのなかには,決定的な因子がないことも再現された。【綿田裕孝

●目的 非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)を伴う2型糖尿病患者のうち,優先的に肝臓専門医に照会し治療すべき患者を特定するため,非アルコール性脂肪肝炎(NASH)および線維化進展に関連する因子を検討した。
一次エンドポイントはNASH。
二次エンドポイントは,肝生検による線維化の進展(ステージ3または4)。
●デザイン 横断研究,多施設(8施設,アメリカ)。
●試験期間
●対象患者 346例: NAFLD(生検で確定診断)を伴う2型糖尿病患者。平均52.5±10.3歳,BMI 35.8±6.8 kg/m2
除外基準:スクリーニング前2年間のアルコール摂取量>140g/週(男性)または>70g/週(女性),慢性肝疾患の他の病因。
●方法 Nonalcoholic Streatohepatitis Clinical Research Network(NASH CRN)に2012年6月12日までに登録された患者のデータを使用した。
多変量logistic回帰モデルおよび曲線下面積により,NASHおよび線維化進展に関連する因子を評価した。
●結果 NASH罹患率は69.2%,線維化進展は41.0%であった。
臨床モデルにおいて,NASH罹患との関連を示した因子は,白色人種,BMI,腹囲(cm),ALT,AST,アルブミン,HbA1c,MA-IR,フェリチンのAUROC 0.80(95%信頼区間0.75-0.84,p=0.007)であった。
このモデルの特異度は90.0%,感度は56.8%,陰性適中率は47.7%,陽性適中率は93.2%であり,このモデルはNASH罹患患者の67%を正しく分類した。
臨床モデルにおいて,線維化進展との関連を示した因子は,年齢,ヒスパニック系,BMI,ウエスト/ヒップ比,高血圧,AST-ALT/比,アルカリホスファターゼ,isolated abnormalアルカリホスファターゼ,グロブリン,アルブミン,総ビリルビンおよび直接ビリルビン,血清インスリン,ヘマトクリット値,INR,血小板数AUROC 0.80(95%信頼区間0.76-0.85,p<0.001)であった。
特異度は90.0%,感度は57%,陰性適中率は75.1%,陽性適中率は80.2%であり,このモデルは線維化進展を有する患者の76.6%を正しく分類した。
検証コホートによる結果は,両モデルともに一貫しており,NASHのAUROCは0.83(95%信頼区間0.75-0.92),線維化進展のAUROCは0.84(0.76-0.92)であった。
線維化進展の検出においては,糖尿病患者のモデルのほうが,NAFLD線維症スコアよりも優れていた。
●結論 NAFLDを伴う2型糖尿病の成人患者において,ルーチンで入手可能な臨床データはNASHまたは線維化進展の可能性の定量化に使用できる。本研究で示された臨床モデルはNAFLDを伴う糖尿病患者を肝臓専門医に照会すべきかの臨床的意思決定の際に使用可能である。