編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Tanabe M, Nomiyama T, Motonaga R, Murase K, Yanase T: Reduced vascular events in type 2 diabetes by biguanide relative to sulfonylurea: study in a Japanese Hospital Database. BMC Endocr Disord. 2015; 15: 49. [PubMed]

日常診療において,SU薬使用例では,ビグアナイド薬使用例に比べて,CVD発症リスクが大となる結果が得られた。しかし,ビグアナイド薬使用例では,SU薬を用いざるを得ない例に比べ,より内因性インスリン分泌が保持されている,罹病期間が短いという傾向があるのではないだろうか。【河盛隆造

●目的 医療費会計データベースを用いて,2型糖尿病患者を対象に,経口血糖降下薬(OHA)の種類別に心血管疾患(CVD)リスクへの影響を比較した。
●デザイン レトロスペクティブ観察コホート研究(日本103施設)。
●試験期間 登録期間は2008年4月1日~2013年4月30日。観察期間は104週。
●対象患者 5,368例:2型糖尿病患者(試験1は4095例,試験2は1273例)。
登録基準:2008年4月1日~2013年4月30日にOHA単独療法を開始,ベースラインのHbA1c評価あり,40~70歳,CVDの既往あり(試験2のみ)。
●方法 医療費会計データベースから登録基準に合致した患者を抽出した。
104週間のKaplan-Meier曲線を用いて,CVD(狭心症,心筋梗塞,心不全,脳梗塞,脳出血,くも膜下出血)に対するスルホニル尿素(SU)の効果と比較した場合のビグアナイド薬,チアゾリジン薬,αグルコシダーゼ阻害薬,速効型インスリン分泌促進薬,DPP-4阻害薬の有効性を算出した。
●結果 平均OHA投与期間は,試験1は320~457日,試験2は330~540日であった。
CVD既往の有無を問わない試験1において,ビグアナイド薬はSU薬に比し,HbA1cコントロールとは独立してCVDリスクを有意に低下させた(ハザード比0.603,95%CI 0.439-0.829,p=0.002)。
CVD既往のある患者を対象とした試験2においても,ビグアナイド薬はSU薬に比し,CVDリスクを有意に低下させた(ハザード比0.566,95%CI 0.376-0.852,p=0.006)。
試験1と試験2のいずれも,他のOHAによるCVDリスク低下は認めなかった。
●結論 日本人の2型糖尿病患者において,ビグアナイド薬はSU薬に比し,ビグアナイド薬の血糖降下作用とは独立してCVDリスクを低下させた。