編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2017年9月現在,1114報収載!
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Giorgino F, Benroubi M, Sun JH, Zimmermann AG, Pechtner V: Efficacy and Safety of Once-Weekly Dulaglutide Versus Insulin Glargine in Patients With Type 2 Diabetes on Metformin and Glimepiride (AWARD-2). Diabetes Care. 2015; [PubMed]

予想された結果といえるが,さらなる解析により,どのような症例でdulaglutide が有効であったのか,glargine が有効であったのか,を見極めることが望まれる。さらにdulaglutideがインスリン分泌を高めたのか,あるいはグルカゴン分泌抑制効果が血糖コントロール改善の機序であったのか,を詳細に解明することが,今後の2型糖尿病におけるインスリン治療選択決定のうえで重要である。【河盛隆造

●目的 経口血糖降下薬でコントロール不良の2型糖尿病患者において,GLP-1受容体作動薬dulaglutideとインスリンglargineの有効性と安全性を比較した。
一次エンドポイントはHbA1c値のベースラインからの変化。
●デザイン ランダム化,オープン,パラレル,多施設。ITT解析。
●試験期間 治療期間は78週。
●対象患者 810例:2型糖尿病患者。
登録基準:HbA1c≧7.0%かつ≦11.0%,BMI≧23kg/m2かつ≦45kg/m2,3ヵ月以上体重が安定1~3種類の経口血糖降下薬治療下で3ヵ月以上コントロール不良。
●方法 10~12週間のlead-in期間後,対象患者をdulaglutide 1.5mg群(週1回)242例,dulaglutide 0.75mg群(週1回)272例,glargine群(1日1回)262例に1:1:1に割り付け,共分散分析により78週後のベースラインからのHbA1cの変化を解析した。
lead-in期間の最初の2~3週間にすべての経口血糖降下薬を中止し,metforminまたはglimepirideによる治療を開始/最大耐容量に調整した(metforminは1500mg/日,glimepirideは4mg/日まで)。
各群への割り付けは,国およびベースラインのHbA1cで層別化した。
薬剤用量は,標準的な滴定アルゴリズムに準じて調整するよう患者に指示された(目標空腹時血糖は<100mg/dL,空腹時血糖 100~119mg/dLの推奨用量調整は0~2 unit)。
所定の診察日の前に,食前,食後,就寝時,午前3時または就寝後5時間の血糖自己測定を2日間実施した。
●結果 試験を完遂したのは723例で,ベースラインの平均HbA1cは8.1±1.0%であった。
一次エンドポイントであるHbA1cのベースラインからの変化は,dulaglutide 1.5mgは-1.08±0.06%,dulaglutide 0.75mg群は-0.76±0.06%,glargine群は-0.63±0.06%で,平均用量は29±26unit(0.33±0.24 units/kg),血糖自己測定での平均空腹時血糖は118±23mg/dLであった。
dulaglutide 1.5mgは優越性の統計的基準を満たし(群間差-0.45%[95%CI -0.60 to -0.29],補正片側p<0.001),dulaglutide 0.75mgは非劣性の基準に合致した(群間差-0.13%[95%CI -0.29 to 0.02],補正片側p<0.001)。
dulaglutide 1.5mg群ではglargine群に比べ,HbA1c<7.0%を達成した患者の割合が多かった(p<0.001)。dulaglutide群では体重が減少したが,glargine群では増加した。低血糖の割合はglargine群よりもdulaglutide群のほうが低く,膵酵素の増大はdulaglutide群で認められた。悪心(dulaglutide 1.5mg群15.4%,dulaglutide 0.75mg群7.7%,glargine群1.5%),および下痢(それぞれ10.6%,9.2%,5.7%)はglargine群よりもdulaglutide群で多くみられた。
●結論 1日1回のglargineと比較し,週1日のdulaglutide 1.5mgはHbA1c低下と体重減少に優れ,消化器症状は多いが,低血糖のリスクは低いことが示唆された。