編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Virtanen M, Ervasti J, Mittendorfer-Rutz E, Tinghög P, Lallukka T, Kjeldgård L, Pentti J, Alexanderson K: Trends of Diagnosis-Specific Work Disability After Newly Diagnosed Diabetes: A 4-Year Nationwide Prospective Cohort Study. Diabetes Care. 2015; 38: 1883-90. [PubMed]

これまでに,糖尿病患者では非糖尿病患者に比べて,就労不能日数が年間2~10日間長いことや,米国全体で糖尿病により生産日数が2,500万日喪失し,生産効率が1,1300万日低下するとの報告がある。そして,その原因には,糖尿病に伴う代謝性あるいは循環器系の疾患が多いとされてきた。しかしながら,どのような疾患で就労不能となるのかについては,詳細な解析がなく,今回の検討は貴重なものといえる。医療者は,糖尿病患者が多くの他の疾患を合わせ持っていることに常に注意を払っていく必要がある。【片山茂裕

●目的 新規に糖尿病と診断された患者において,診断特異的な就労不能の推移を検討した。
●デザイン プロスペクティブ,コホート。
●試験期間 追跡期間は4年。
●対象患者 14,098例:2006年に25~59歳であった,新規に糖尿病と診断された患者。平均48.5±8.8歳。
●方法 スウェーデンの保健医療データベースを使用。社会保険庁から2007~2010年の医師が証明した病欠日数と障害年金日数のデータを入手。
糖尿病の診断後4年間の就労不能(病欠,障害年金)の推移を,無作為抽出した非糖尿病の一般人39,056例(平均42.1±9.9歳)と比較した。
●結果 就労不能の主な理由は精神疾患と筋骨格系疾患で,糖尿病が就労不能の理由となることはまれであった。
交絡因子を調整後,糖尿病患者では非糖尿病例に比し,精神疾患による就労不能日数が平均18.8~19.8日/年多く,筋骨格系疾患では12.1~12.8日/年,循環器疾患では5.9~6.5日/年,神経系疾患では1.8~2.0日/年,傷害では1.0~1.2日/年多かった。
精神疾患による就労不能日数の差異は,最初は大きかったが,その後に縮小したのに対し,その他の疾患では差異が一定であった。
糖尿病患者のうち,独居で精神疾患を有する場合の就労不能日数は最も多く,45.3日/年であった。
●結論 糖尿病患者における就労不能リスクの増大は,主に精神疾患,筋骨格系疾患,循環器疾患の併発によるものであった。