編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Tseng YH, Tsan YT, Chan WC, Sheu WH, Chen PC: Use of an α-Glucosidase Inhibitor and the Risk of Colorectal Cancer in Patients With Diabetes: A Nationwide, Population-Based Cohort Study. Diabetes Care. 2015; 38: 2068-74. [PubMed]

腸内細菌と発がんとの関係が注目されているが,acarboseが腸内細菌を変化させ,大腸がんの発症リスクを低下させたのかもしれない。【綿田裕孝

●目的 糖尿病患者において,αグルコシダーゼ阻害薬acarboseの大腸がん発症リスク抑制効果を検討した。
●デザイン コホート研究。
●試験期間 追跡期間は中央値3.4年,1,487,136人・年。
●対象患者 1998~2010年に糖尿病を新規発症した398,592例。年齢中央値54.16歳,男性52.51%。
除外基準:年齢または性別のデータがない者,18歳未満,1997~2010年に悪性腫瘍の診断を受けた者。
●方法 台湾の国民健康保険(NHI)リサーチデータベースを使用。
追跡期間における大腸がん発生について,acarbose使用例(199,296例)とacarbose非使用例(199,296例)(対照)を比較し,ハザード比(HR)を算出した。HRは,年齢(10歳増加ごと),性別,糖尿病診断時の年齢,都市,収入,併存疾患(高血圧,高脂血症,大腸ポリープ,炎症性大腸炎,慢性腎臓病),metformin,チアゾリジンジオン,インスリン,NSAID,スタチン,サーベイランス結腸内視鏡検査,糞便潜血検査,ベースラインのadapted Diabetes Complications Severity Indexスコアで調整した。
acarbose使用例と対照の非使用例は,年齢,性別,糖尿病診断時の年齢,他の併存疾患(高血圧,高脂血症,慢性腎臓病,大腸ポリープ,炎症性大腸炎)により1対1にマッチングさせた。
arcabose使用例をacarboseの1日投与量(DDD)により3つにカテゴリー分けし(>0~<90 DDD[104,281例],90~364 DDD[62,714例],≧364 DDD[32,301例]),用量依存効果を検討した(1 DDDは0.3g/日)。
●結果 追跡期間における大腸がん発生は,acarbose群569例,対照群763例であった。
大腸がん発生リスクは,acarbose群(75.8例/100,000人・年)で対照群(103.8例/100,000人・年)にくらべて27%低かった(粗HR 0.73[95%信頼区間0.66-0.82],調整HR 0.66[0.59-0.74])。
acarboseの3つのカテゴリー分けの検討では,対照群にくらべた大腸がん発症の調整HRは,>0~<90 DDDでは0.73(95%信頼区間0.63-0.83),90~364 DDDでは0.69(0.59-0.82),≧364 DDDでは0.46(0.37-0.58)となり,acarboseの用量依存効果が認められた(p for trend<0.001)。
●結論 糖尿病患者において,acarbose使用は大腸がん発症リスクを用量依存的に減少させた。