編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Mosenzon O, Wei C, Davidson J, Scirica BM, Yanuv I, Rozenberg A, Hirshberg B, Cahn A, Stahre C, Strojek K, et al.: Incidence of Fractures in Patients With Type 2 Diabetes in the SAVOR-TIMI 53 Trial. Diabetes Care. 2015; 38: 2142-50. [PubMed]

DPP-4阻害薬がとくに骨折を増加させる可能性が高いことが想定されているわけではないが,この薬剤の安全性がまたひとつ実証された研究である。【綿田裕孝

●目的 2型糖尿病患者において,DPP-4阻害薬saxagliptinの骨折リスクを検討した。SAVOR-TIMI 53の事後解析。
●デザイン 無作為化比較試験の事後解析。
SAVOR-TIMI 53は,無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設(26ヵ国,788施設)。
●試験期間 追跡期間は2.1年(中央値)。
●対象患者 16492例:2型糖尿病患者。平均65.1±8.5歳。
登録基準:過去6ヵ月以内のHbA1c 6.5~<12.0%,心血管疾患(CVD)既往,>40歳または複数のCVDリスク因子(男性>55歳,女性>60歳を含む)を有する者。
●方法 SAVOR-TIMI 53では,saxagliptin群(5mg/日[推算糸球体濾過量≦50 mL/分の場合は2.5 mg/日]),プラセボ群にランダム割付け。
本研究では,saxagliptin群(8280例)とプラセボ群(8212例)の骨折発生率を比較し,ベースラインの患者特性と骨折リスクの関連も評価。
●結果 骨折を認めたのは,saxagliptin群241例(2.9%),プラセボ群240例(2.9%)であり(ハザード比[HR]1.00,95%CI 0.83-1.19),両群ともに発生率は14.7件/1000人-年であった。on-treatment解析でも同様に,骨折を認めたのは両群ともに2.7%,発生率は両群ともに14.0件/1000人-年であった。
重篤な有害事象としての骨折を認めたのは,saxagliptin群1.1%,プラセボ群1.0%(p=0.53)であり,性別,年齢,人種,居住地域,ベースラインの心血管リスク,ベースラインの腎機能別の検討でも,両群の骨折リスクは同等であった。
多変量Cox回帰解析において骨折と有意な相関を認めた患者特性は,女性(HR 1.84),糖尿病罹病期間(1年あたりのHR 1.02),年齢(1歳あたりのHR 1.02),コンプライアンス不良(HR 1.50),試験中の重大な低血糖イベント(HR 1.76),チアゾリジン薬の使用(HR 1.44)であった。
●結論 2型糖尿病患者において,saxagliptinによる骨折リスクの上昇は認めなかった。