編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Kwon SS, Kwon JY, Park YW, Kim YH, Lim JB: HbA1c for diagnosis and prognosis of gestational diabetes mellitus. Diabetes Res Clin Pract. 2015; 110: 38-43. [PubMed]

この報告は韓国からの報告である。日本ではOGTT時には,インスリン分泌動態が詳細に検討されており,妊娠糖尿病発症例では,インスリン分泌能の低下例が圧倒的に多い。さらに日常生活におけるわずかな血糖応答異常,特に短期間の異常状況を把握するには,HbA1cではなく,グリコアルブミンが用いられるべきであろう。
今回の報告は,短時間であれ,軽度の高血糖状況を放置することがインスリン分泌能をさらに低下させるであろうことを示唆している。【河盛隆造

●目的 妊娠糖尿病(GDM)診断におけるHbA1cの臨床的有用性,およびGDM患者における将来の2型糖尿病発症リスクについてのHbA1cの予測能を検討した。
●デザイン レトロスペクティブ横断研究。
●試験期間 登録期間は2006~2014年。
●対象患者 321例:妊娠中に100g経口糖負荷試験(OGTT)を行った非糖尿病妊婦。
●方法 HbA1cのGDM診断能を評価。
サブグループ解析として,分娩後の追跡期間≧3ヵ月のGDM妊婦(54例)を分娩後の2型糖尿病(PDM)発症病の有無で層別化し,PDM発症の予測におけるHbA1cの臨床的有用性を評価した。
●結果 GDM妊婦(242例)は正常妊婦(79例)に比し,平均HbAcが有意に上昇した(5.47±0.34% vs 4.95±0.45%,p<0.001)。HbA1cカットオフ値を5.05%とした場合のGDM診断の感度は91.3%,特異度は62.0%で,カットオフ値を5.25%とした場合の感度は73.6%,特異度は77.2%であった。
サブグループ解析において,PDM発症妊婦(14例)は非発症妊婦(40例)に比し,妊娠中のHbA1cが有意に上昇していた(5.91±0.38% vs 5.44±0.26%,p<0.001)。HbA1cカットオフ値を5.55%とした場合のPDM発症予測の感度は78.6%,特異度は72.5%であった。
●結論 妊婦において,GDM診断におけるHbA1cの感度は高いが,特異度は比較的低かった。HbA1cは,OGTTに代わる簡便かつ低侵襲性のスクリーニングとして使用できることが示唆された。