編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Home PD, Bergenstal RM, Bolli GB, Ziemen M, Rojeski M, Espinasse M, Riddle MC: New Insulin Glargine 300 Units/mL Versus Glargine 100 Units/mL in People With Type 1 Diabetes: A Randomized, Phase 3a, Open-Label Clinical Trial (EDITION 4). Diabetes Care. 2015; 38: 2217-25. [PubMed]

1型糖尿病が対象であるが,平均BMIが27.6,平均体重82 Kgであった。そのため,平均インスリン需要量のうち,glargine が0.38 U/Kg,31 Uにも及ぶ。U-300のほうが液量がわずか0.1 ccで済むことから,患者の負担が少なくてよいだろう。【河盛隆造

●目的 1型糖尿病患者において,インスリンglargine 300 units/mL(Gla-300)と100 units/mL(Gla-100)の有効性と忍容性を比較し,さらにそのアウトカムが投与のタイミング(朝または夜)により異なるか検討した。
一次エンドポイントはベースラインから6ヵ月後までのHbA1cの変化。
●デザイン 無作為,オープン,多施設(12ヵ国,124施設),第IIIa相。
●試験期間 追跡期間は6ヵ月。
●対象患者 549例:1型糖尿病で,食事時インスリン+基礎インスリンのレジメンの患者。平均年齢47歳,糖尿病罹病期間21年,BMI 27.6kg/m2,HbA1c 8.1%。
採用基準:18歳以上,1型糖尿病罹病期間>1年,食事時インスリンアナログ投与≧3ヵ月。
除外基準:HbA1c<7.0%および>10.0%,基礎インスリン+食事時インスリンのレジメン<1年,30日以内におけるインスリン用量不安定(±20%),過去3ヵ月以内にその他の食事時/混合インスリンまたはその他の血糖降下薬を使用,過去6ヵ月以内にポンプ療法を実施。
●方法 対象患者をGla-300群,Gla-100群に1:1にランダム化し,さらに朝投与群,夜投与群に1:1にランダム化。
Gla-300,Gla-100ともに,自己測定による朝食前の空腹時血糖値(SMPG)に基づいて滴定し(SMPGの目標値は80~100 mg/dL),1日1回皮下投与。
朝投与は朝食前~昼食前とし,夜投与は夕食~就寝までの間とした。
基礎インスリンは毎週に用量調整し,食事時のインスリンは食後2時間血糖160mg/dLを目標とした。
●結果 一次エンドポイントであるHbA1cの変化は,Gla-300群-0.42%,Gla-100群-0.44%と両群同程度であり,最小二乗平均差の95%信頼区間が非劣性範囲内(閾値0.40%)であることから,Gla-300群の非劣性が示された(最小二乗平均差0.04%,95%信頼区間-0.10 to 0.19)。
朝投与群と夜投与群の比較においても,HbA1c,朝食前の全SMPGともに同様の結果であった。
また,朝投与群,夜投与群ともに,Gla-300とGla-100によるHbA1cの変化に差はみられず,8ポイントSMPGプロファイルも重なった。
低血糖症については,最初の8週間における重度の夜間低血糖症がGla-300群でGla-100群にくらべて有意に低かったが(リスク比0.69,0.53-0.91),それ以外6ヵ月における低血糖症に有意な群間差はみられなかった。また,Gla-300による低血糖症リスクは,朝投与と夜投与で差はみられなかった。
基礎インスリン用量は6ヵ月後にGla-300群でわずかに多かった。
有害事象プロファイルは両群同程度であった。体重増加はGla-300群のほうが有意に少なかった(6ヵ月後の群間差-0.6kg,p=0.037)。
●結論 罹病期間の長い1型糖尿病患者において,Gla-300の血糖コントロールはGla-100と同程度であり,他のインスリンからGla-300に変更後の低血糖症リスクも低く,投与タイミングとは独立していた。また,体重増加も少なかった。