編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2017年9月現在,1114報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Lamb MJ, Westgate K, Brage S, Ekelund U, Long GH, Griffin SJ, Simmons RK, Cooper AJ; ADDITION-Plus study team : Prospective associations between sedentary time, physical activity, fitness and cardiometabolic risk factors in people with type 2 diabetes. Diabetologia. 2016; 59: 110-20. [PubMed]

健常者では,中等度~強度の身体活動(MVPA)に関わらず,座っている時間が長いと心血管代謝リスクが高いことや,また座っている時間の長さに関わらずMVPAと心血管代謝リスクが逆相関することが明らかにされている。さらに,身体活動は心肺持久力(CRF)を増大させるが,CRFの程度に関わらず,客観的に評価した身体活動エネルギー消費量(PAEE)と代謝リスクが相関することも示されている。これまで糖尿病患者での検討はなされていなかったが,今回,高齢者を比較的多く含む2型糖尿病患者の白人の集団で検討が行われた。PAEEやCRFを増加させると心血管代謝リスクが減少,MVPAを増加させると収縮期血圧が低下し,座っている時間が長くなると腹囲が増加した。すなわち,身体活動量を増加させ,座っている時間を減少させることが2型糖尿病患者の心血管代謝リスクを減少させるのに有効であることが明らかになったといえる。今後,CRFを増加させない程度の運動でも,PAEEを増加させる運動を行えば心血管代謝リスクが減少し,さらに心血管イベントが減少することが示されれば,その臨床的意義はきわめて高いといえる。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,客観的に評価した身体活動エネルギー消費量(physical activity energy expenditure: PAEE),座っている時間,中等度~強度の身体活動(moderate-to-vigorous-intnensity physical activity: MVPA),心肺持久力(cardiorespiratory fitness: CRF)と心代謝リスク因子の4年間の関連を検討した。
●デザイン プロスペクティブ,コホート,多施設(英国34施設)。
●試験期間 追跡期間は4年。
●対象患者 308例:2型糖尿病患者。平均61.0±7.2歳。女性34%。
登録基準:40~69歳,スクリーニングで検出されADDITION-Cambridge研究で診断された糖尿病または3年以内に臨床的に診断された糖尿病。
●方法 多変量線形回帰モデルを用いて,ベースラインのPAEE,座っている時間,MVPA,CRFと追跡時の心代謝リスク因子および集積心代謝リスク(clustered cardiometabolic risk: CCMR)の関連,4年間のそれぞれの変化の関連を評価した。
●結果 ベースラインのPAEEはMVPAと強く正相関し,座っている時間と強く逆相関した。ベースラインのMVPAは座っている時間と強く逆相関した。
追跡時にPAEEが増加した患者は,PAEEが減少した患者に比し,腹囲の減少度が大きく(-2.84cm,95%CI-4.84 ~-0.85),CCMRの減少度が大きかった(-0.17,95%CI-0.29 ~ -0.04)。追跡時に座っている時間が増加した患者は,座っている時間が減少した患者に比し,腹囲の増加が大であった(3.20cm,95%CI 0.84 ~5.56)。
MVPAの増加は収縮期血圧の低下と関連し(-6.30mmHg,95%CI-11.58 ~-1.03),CRFの増加はCCMRの減少(-0.23,95%CI-0.40 ~-0.50)および腹囲の減少(-3.79cm,95%CI-6.62 ~-0.96)と関連した。
ベースラインのPAEE,座っている時間,MVPA,CRFは,追跡時の心代謝リスクを予測しなかった。
●結論 診断後早期の2型糖尿病患者において,身体活動量の増加と座っている時間の減少を奨励することにより,腹囲,血圧,CCMRが改善することが示唆された。