編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Idorn T, Knop FK, Jørgensen MB, Jensen T, Resuli M, Hansen PM, Christensen KB, Holst JJ, Hornum M, Feldt-Rasmussen B: Safety and Efficacy of Liraglutide in Patients With Type 2 Diabetes and End-Stage Renal Disease: An Investigator-Initiated, Placebo-Controlled, Double-Blind, Parallel-Group, Randomized Trial. Diabetes Care. 2016; 39: 206-13. [PubMed]

GLP-1受容体作動薬は末期腎不全(ESRD)患者での使用成績が少なかったため,ESRDの患者での使用は勧められていなかった。今回のESRD患者での検討では,HbA1cで0.5%の低下がみられ,治療中の血漿liraglutide濃度が49%上昇し,消化管副作用の頻度が増加した。この結果より,ESRD患者でもliraglutideの投与は有用な治療手段であることが示されたといえる。ただ,嘔気・嘔吐などの消化器症状を低減させるよう,用量をゆっくり漸増することが必要であろう。【片山茂裕

●目的 末期腎疾患(ESRD)を有する2型糖尿病患者において,liraglutideの安全性と有効性に関連するパラメータを検討した。
主要評価項目は,12週後の用量補正血漿トラフliraglutide濃度。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設(デンマーク3施設)。
●試験期間 ESRD合併例の登録期間は2011年9月~2013年10月。試験期間は12週。
●対象患者 47例:2型糖尿病患者。ESRD合併24例,腎機能正常(対照)23例。
登録基準:18~85歳,3ヵ月以上前の2型糖尿病診断,β細胞機能保持。ESRD合併例では長期血液透析または腹膜透析。対照例では血漿クレアチニン<1.2 mg/dL(男性)または<1.0 mg/dL(女性),HbA1c>6.5%。
●方法 ESRD合併例,対照例をそれぞれliraglutide群,プラセボ群にランダム化し,既存の治療に追加して1日1回皮下注射した。
liraglutideは0.6mgから開始し,最大1.8mgまで漸増した。
●結果 試験を完遂したのは,ESRD合併例20例,対照例20例であった。
主要評価項目は,ESRD合併例で対照例に比し,49%上昇した(95%CI 6-109,p=0.02)。
liraglutide群において,ESRD合併例は対照例に比し,初期および一過性の悪心および嘔吐の発生が有意に増加した(p<0.04)。
ESRD合併例,対照例ともに,liraglutide群ではプラセボ群よりHbA1cと血糖値が低下し,インスリン用量が減少した。liraglutide群における体重減少は,ESRD合併例で2.4±0.8kg(p=0.22),対照例で2.9±1.0kgであった(p=0.03)。
●結論 ESRDを有する2型糖尿病患者では,liraglutide投与により治療中の血漿liraglutide濃度が上昇し,消化管副作用が増加することが示唆された。