編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ligthart S, van Herpt TT, Leening MJ, Kavousi M, Hofman A, Stricker BH, van Hoek M, Sijbrands EJ, Franco OH, Dehghan A: Lifetime risk of developing impaired glucose metabolism and eventual progression from prediabetes to type 2 diabetes: a prospective cohort study. Lancet Diabetes Endocrinol. 2016; 4: 44-51. [PubMed]

45歳以上の成人における,生涯の前糖尿病と糖尿病の発症頻度を計算した研究である。事実は結果のとおりであるが,糖尿病の予防を強化すべきという結論とは直接結びつかない。【綿田裕孝

●目的 45歳以上の成人において,前糖尿病,2型糖尿病,インスリン使用の生涯リスクを検討した。
●デザイン プロスペクティブ,コホート。
●試験期間 1990年登録開始。追跡期間は最大14.7年(1997年4月1日~2012年1月1日)。
●対象患者 10,050例:≧45歳の成人。平均65.2±9.8歳。女性57%。
●方法 診療記録,退院記録,薬剤処方データにより耐糖能障害および2型糖尿病を評価した。
空腹時グルコースに基づき,≦6.0mmol/L(≦108mg/dL)は正常血糖,>6.0~<7.0mmol/L(>108~126mg/dL)は前糖尿病,≧7.0mmol/L(≧126mg/dL)または血糖降下薬使用は糖尿病とし,死亡の競合リスクを調整後,修正生存解析を用いて生涯リスクを算出。前糖尿病から顕性糖尿病への進展,インスリン非使用糖尿病からインスリン治療開始への進展の生涯リスク,正常血糖での生存年も算出した。
●結果 ベースラインの正常血糖は7,462例(74%),前糖尿病は1,382例(14%),糖尿病は1,206例(12%)であった。
追跡期間の前糖尿病発症は1,148例,糖尿病発症は828例,インスリン使用開始は237例であった。
45歳の正常血糖例の残余生涯リスクは,前糖尿病で48.7%(95%CI 46.2-51.3),糖尿病で31.3%(95%CI 29.3-33.3),インスリン使用で9.1%(95%CI 7.8-10.3)であった。
45歳の前糖尿病例の顕性糖尿病への進展の生涯リスクは74.0%(95%CI 67.6-80.5),45歳のインスリン非使用糖尿病例のインスリン治療開始への生涯リスクは49.1%(95%CI 38.2-60.0)であった。
生涯リスクは加齢に伴い減弱したが,BMIと腹囲の上昇に伴って上昇し,重度肥満例は正常体重例に比し,耐糖能障害を認めない生存年数が平均10年短かった。
●結論 45歳の正常血糖成人の半数が前糖尿病,3分の1が糖尿病を生涯に発症する可能性が示された。