編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Yarmolinsky J, Duncan BB, Chambless LE, Bensenor IM, Barreto SM, Goulart AC, Santos IS, Diniz Mde F, Schmidt MI: Artificially Sweetened Beverage Consumption Is Positively Associated with Newly Diagnosed Diabetes in Normal-Weight but Not in Overweight or Obese Brazilian Adults. J Nutr. 2016; 146: 290-7. [PubMed]

NHANESの結果では,米国人成人の1/3は低カロリーの人工甘味料飲料(ASB)を毎日摂取しているという。動物実験ではノンカロリーであってもASBが腸内細菌叢に影響を与え,宿主での糖産生を増加させるという。ヒトでは,ASBの過剰摂取はBMIに関わらず2型糖尿病の発症リスクを増加させることが報告されているが,BMIで調整すると必ずしもそうではないという報告もある。
今回のBMI別に解析した検討では,非肥満者では過剰なASBの摂取が糖尿病のリスクとなることが確認された。ただ,過体重や肥満例では,ASBの摂取でインスリン感受性やブドウ糖負荷後の2時間血糖値が若干改善することが示されたが,既に診断されている糖尿病患者は今回の検討には含まれておらず,ASBの摂取が勧められるかどうかはさらなる検討が必要である。【片山茂裕

●目的 ブラジル人において,人工甘味料飲料(ASB)摂取量と新たに診断された糖尿病発症率およびグルコースホメオスタシスとの関連を検討した。
●デザイン 横断的コホート研究。
●試験期間 登録期間は2008~2010年。
●対象患者 12884例:非糖尿病の成人。女性54.8%,平均51.5歳,平均BMI 26.8kg/m2
●方法 質問票によりASB摂取量を評価。75g経口糖負荷試験2時間値とHbA1cにより糖尿病を診断した。
多変量ロジスティック回帰分析により,ASB摂取量と糖尿病およびグルコースホメオスタシスの関連を検討した。
●結果 BMIを調整後,全体的にはASB摂取量と糖尿病は関連しなかったが,両者の関連性はBMIカテゴリーにより異なった(p for interaction=0.04)。
BMI<25kg/m2では,1日のASB摂取頻度の1単位増加により糖尿病リスクが15%上昇し,非摂取例に対する糖尿病の調整オッズ比(95%CI)は,1日のASB摂取回数がほぼ0の場合は1.03(0.60-1.77),1~2回の場合は1.43(0.93-2.20),3~4回の場合は1.62(1.08-2.44),>4回の場合は2.51(1.40-4.50)であった。
BMI<25kg/m2では,ASB摂取量増加により空腹時血糖が0.43mg/dL上昇し(p=0.01),β細胞機能の指標であるHOMA-βが0.77%低下した(p=0.009)。
BMI≧25kg/m2ではこれらの関連を認めず,過体重または肥満の場合,ASB摂取量増加によりインスリン感受性指数と糖負荷後2時間値が有意に改善した。
●結論 正常体重例ではASB摂取量増加により糖尿病リスクと空腹時血糖が上昇し,β細胞機能が不良となったが,過体重例ではこれらの関連を認めなかった。