編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Weinstock RS, DuBose SN, Bergenstal RM, Chaytor NS, Peterson C, Olson BA, Munshi MN, Perrin AJ, Miller KM, Beck RW, et al.; T1D Exchange Severe Hypoglycemia in Older Adults With Type 1 Diabetes Study Group : Risk Factors Associated With Severe Hypoglycemia in Older Adults With Type 1 Diabetes. Diabetes Care. 2016; 39: 603-10. [PubMed]

1型糖尿病も予後が改善し,多くの高齢患者が存在することを考えると極めて重要なデータである。結果は予想通りであるが,血糖変動の激しい患者ではHbA1が上昇したとしても低血糖を避ける治療が望まれるのかもしれない。
今回のケースでは,対照例に比べ重度低血糖イベント例でβ遮断薬の使用が有意に多かったが,因果関係に関しては今後の検討が必要であろう。【綿田裕孝

●目的 高齢の1型糖尿病患者において,重度低血糖のリスク因子を検討した。
●デザイン 症例対照研究,多施設(18施設)。
●試験期間 登録期間は2013年8月~2014年4月。
●対象患者 201例:≧60歳で罹病期間≧20年の自己免疫性1型糖尿病患者。
除外基準:持続血糖測定(CGM)を使用している例,ステージ4~5の慢性腎臓病(eGFR<30mL/分/1.73m2),中等度または進行認知症,余命<1年の重篤な疾患,膵臓移植の既往。
●方法 過去12ヵ月間に1回以上の重度低血糖イベントを発症した101例と過去3年間に重度低血糖イベントを認めていない100例(対照)で,認知能,身体機能,社会的支援,うつ病,無認識の低血糖,糖尿病管理,C-ペプチド,HbA1c,CGMを比較した。
●結果 重度低血糖イベント例と対照例で,平均HbA1c(7.8±1.3 vs 7.7±1.1%),CGMで評価した平均血糖(174.9±31.6 vs 175.4±33.8mg/dL)は同等であった。無認識の低血糖はイベント例で多く,低血糖症状の報告率はイベント例11%,対照例43%であった(p<0.001)。血糖変動性はイベント例で大きかった(p=0.008)。CGMで20分以上の血糖<60mg/dLを認めた日数の割合は,イベント例は46.2%,対照例は33.3%であった(p=0.10)。イベント例は対照例に比し,特定の認知検査スコアが不良であった。
●結論 高齢で罹病期間の長い1型糖尿病患者において,無認識の低血糖と血糖変動性が重度低血糖のリスク因子であった。