編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Matsuhisa M, Koyama M, Cheng X, Takahashi Y, Riddle MC, Bolli GB, Hirose T; EDITION JP 1 study group : New insulin glargine 300 U/ml versus glargine 100 U/ml in Japanese adults with type 1 diabetes using basal and mealtime insulin: glucose control and hypoglycaemia in a randomized controlled trial (EDITION JP 1). Diabetes Obes Metab. 2016; 18: 375-83. [PubMed]

日本人の成人1型糖尿病患者において,インスリンglargine 300 U/mL製剤は100 U/mLに比して同程度の血糖コントロールを得るのに少々投与量が増えるものの,夜間の低血糖発症は少ないことを示した。従来の報告と軌を一にして,300 U/mL製剤の吸収動態がより安定していることを示唆しているのであろう。【河盛隆造

●目的 日本人の成人1型糖尿病患者において,インスリンglargine 300 U/mL(Gla-300)と100 U/mL(Gla-100)の有効性と忍容性を比較した。
有効性の一次エンドポイントはベースラインから6ヵ月後までのHbA1cの変化。
●デザイン 無作為,オープン,多施設(22施設,日本),第III相,非劣性試験(HbA1cの閾値0.4%),modified intention-to-treat解析(有効性)。
●試験期間 ランダム化期間は2012年10月~2013年10月,試験期間は6ヵ月。
●対象患者 243例:日本人の成人1型糖尿病患者。平均年齢はGla-300群44.1歳,Gla-100群46.3歳, 1型糖尿病罹病期間12.2年,13.9年,平均体重63.9 kg,61.0 kg,BMI 23.8 kg/m2,23.2 kg/m2,HbA1c 8.06%,8.07%。
採用基準:基礎インスリン+食事時インスリンによる治療≧1年,HbA1c 7.0~10.0%。
除外基準:過去30日間におけるインスリン用量不安定(全・基礎インスリン要量±20%),過去3ヵ月以内のプレミックス・インスリンおよびヒトレギュラーインスリン(食事時インスリンとして)かつ/または基礎インスリン以外の血糖降下薬および食事時の速効型インスリンアナログの使用,過去6ヵ月以内のインスリンポンプ使用,インスリンglargine禁忌,過去6ヵ月以内の昏睡/発作を伴う重症低血糖または糖尿病性ケトアシドーシスによる入院。
●方法 HbA1c値(<8.0%,≧8.0%)により患者を層別化し,Gla-300群(122例),Gla-100群(121例)に1:1にランダム化。
両群ともに,自己測定による空腹時血糖値に基づいて滴定し(目標値は80~130 mg/dL),1日1回(夕食前~就寝)に皮下投与した。
●結果 一次エンドポイントであるHbA1cの変化は,Gla-300群-0.30%,Gla-100群-0.43%であり,Gla-300群の非劣性が示された(最小二乗平均差0.13%,95%信頼区間-0.03 to 0.29)。
6ヵ月後の低血糖症(≦70 mg/dL)+重症低血糖イベント発生率は,Gla-300群ではGla-100群にくらべ,夜間(00:00~05:59h)は34%低く(率比0.66,95%信頼区間0.48 to 0.92,p=0.014),一日24時間(24h)では20%低かったが(率比0.80,0.65 to 0.98,p=0.028),この差がもっとも著しいのは最初の8週間であった(夜間の率比0.58,0.41 to 0.84,24hの率比0.69,0.56 to 0.86)。重症低血糖症発症率は両群ともにわずかであった(5.7%,9.9%)。体重変化はGla-300群の方が良好であった(-0.1 kg vs. +0.4 kg,最小二乗平均差-0.6 kg,-1.1 to -0.0,p=0.035)。基礎インスリン用量は両群ともに増加した(6ヵ月後:Gla-300群 0.35U/kg/日,Gla-100群 0.29U/kg/日)。有害事象の発生は両群で同程度であった(治療関連の有害事象62% vs. 64%)。
●結論 基礎インスリン+食事時インスリン治療下の日本人の成人1型糖尿病患者において,低血糖症発症はGla-300のほうがGla-100にくらべ少なかった。