編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Heerspink HJ, Persson F, Brenner BM, Chaturvedi N, Brunel P, McMurray JJ, Desai AS, Solomon SD, Pfeffer MA, Parving HH, et al.: Renal outcomes with aliskiren in patients with type 2 diabetes: a prespecified secondary analysis of the ALTITUDE randomised controlled trial. Lancet Diabetes Endocrinol. 2016; 4: 309-17. [PubMed]

ALTITUDE試験は,高カリウム血症と急性腎障害のため早期に中止され,腎複合エンドポイントについてはACE阻害薬あるいはARBに直接的レニン阻害薬であるaliskirenを追加投与するメリットが認められなかった。今回の二次解析では,aliskiren群ではplacebo群に比べて,アルブミン尿の病期の進展が遅れ(HR:0.83),病期の改善が促進された(HR:1.29)。しかしながら,aliskiren群で腎複合エンドポイントの改善は認められなかった。アルブミン尿減少というサロゲートマーカーが長期的な腎保護をもたらすというドグマが間違っているのかもしれない。あるいは,ALTITUDE試験で認められたaliskirenによる6ヶ月後の12%程度のアルブミン尿減少では腎保護に繋がらないのかもしれない。また,本試験が早期に中止をされたため観察期間が短すぎる可能性もある。さらに,高カリウム血症と急性腎障害という有害事象によりaliskirenの腎保護作用が過小評価されているのではなかろうか。いずれにしても,サロゲートマーカーと臨床的アウトカムの問題は大きな検討課題である。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,腎アウトカムに対する直接的レニン阻害薬aliskirenの効果を検討した。
●デザイン 無作為化試験の二次解析。
●試験期間 登録期間は2007年10月10日~2010年6月23日。追跡期間は2.6年(中央値)。
●対象患者 8,561例:慢性腎臓病または心血管疾患を有する2型糖尿病患者。
登録基準:持続性顕性アルブミン尿(尿中アルブミン-クレアチニン比[UACR]≧200mg/g),推定糸球体濾過量(eGFR)>30mL/分/1.73m2かつ<60mL/分/1.73m2+持続性微量アルブミン尿(UACR 20~200mg/g)または心血管疾患既往。
●方法 ALTITUDEでは,ACE阻害薬またはARB服用中の2型糖尿病患者を,aliskiren(300mg/日)(4274例)またはプラセボ(4287例)に無作為割り付けし,それぞれの薬剤を追加投与した。
本解析では,サロゲート腎アウトカム(微量/顕性アルブミン尿進展または退縮までの時間,eGFRの変化率)を全症例で評価し,主要腎アウトカム(末期腎疾患,腎死,血清クレアチニンの2倍上昇)をサブグループで解析した。
●結果 aliskiren群はプラセボ群に比し,アルブミン尿ステージの進展が有意に減少し(ハザード比[HR]0.83,95%CI 0.75 to 0.93,p=0.0007),ステージの改善が有意に増大した(HR 1.29,95%CI 1.19~1.39,p<0.0001)。
年間eGFR変化率は,aliskiren群-3.1mL/分/1.73m2(95%CI-2.9 to -3.3),プラセボ群-3.0mL/分/1.73m2(95%CI-2.8 to -3.2)で有意差はなかった(p=0.52)。
6ヵ月後までの年間eGFR変化率は,aliskiren群でプラセボ群より有意に大きかったが(-2.5 vs -1.4mL/分/1.73m2,p<0.0001),その後の変化には有意な群間差はみられなかった(-2.8 vs -3.1mL/分/1.73m2,p=0.068)。
様々なサブグループ解析においても,血清クレアチニンの2倍上昇+末期腎疾患+腎死についてのaliskirenのベネフィットは認められなかった。
●結論 aliskirenは,腎アウトカムに対するベネフィットは示さなかったが,アルブミン尿ステージの進展を有意に遅延させ,ステージの改善を有意に増大させた。