編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Heerspink HJ, Johnsson E, Gause-Nilsson I, Cain VA, Sjöström CD: Dapagliflozin reduces albuminuria in patients with diabetes and hypertension receiving renin-angiotensin blockers. Diabetes Obes Metab. 2016; 18: 590-7. [PubMed]

SGLT2阻害薬であるdapagliflozinの投与により,プラセボ群に比し12週後のUACRが33.2%低下し,eGFRも2.80 mL/分/1.73m2低下した。このアルブミン尿に対するdapagliflozinの効果は,HbA1c,SBP,体重,eGFRの変化で調整した後も23.5%が残存し,何らかの独立したメカニズムが想定される。一つは,遠位尿細管へのNa到達量が増加し,macula densaでのtubuloglomerular feedback機能が働き,輸入細動脈が収縮し糸球体内圧が低下しGFRが低下することが挙げられる。また,尿細管へ流入するブドウ糖が減少することによりもたらされる抗炎症作用も重要ではないかと推定される。これらの変化は,dapagliflozin中止後1週間で元のレベルに復することから,eGFRの低下は一過性であり可逆的な変化であることが示された意義も大きい。今後,SGLT2阻害薬が1型および2型の両方の糖尿病初期に見られる過剰濾過に対する有力な介入手段となり得る可能性があり,糖尿病腎症の進展を遅らせる血糖降下薬としての臨床的意義の長期的な検討が望まれる。【片山茂裕

●目的 レニン-アンジオテンシン系阻害薬を投与されている高血圧を有する2型糖尿病患者において,アルブミン尿と推算糸球体濾過量(eGFR)に対するSGLT2阻害薬dapagliflozinの効果,アルブミン尿に対するdapagliflozinの効果へのHbA1c,収縮期血圧(SBP),体重,eGFRの影響を検討した。
主要評価項目は12週後の尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)の変化,投与終了後1週時のeGFRの変化。
●デザイン 第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験2件の事後解析。
●試験期間 登録期間は2010~2013年。試験期間は12週。
●対象患者 356例:ACE阻害薬またはアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)が投与されている高血圧を有する2型糖尿病患者で,ベースライン時に微量アルブミン尿または顕性アルブミン尿を有する例。
登録基準:18~89歳,HbA1c 7.0~10.5%,SBP 140~165mmHgかつ座位拡張期血圧85~105mmHg,UACR≧30mg/g。
●方法 対象患者をdapagliflozin 10mg群(167例),プラセボ群(189例)に1:1に無作為割り付けた。
●結果 dapagliflozin群はプラセボ群に比し,12週後のUACRが33.2%低下し(95%CI -45.4 to -18.2),12週後のHbA1cが0.5%低下,SBPが3.5mmHg低下,体重が0.76kg減少した。
dapagliflozin群ではプラセボ群よりeGFRが-2.80 mL/分/1.73m2低下したが(-5.43 to -0.16),最終投与後1週間で速やかに回復した。
また年齢,性別,HbA1c変化,SBP変化,体重変化,eGFR変化を調整した後も,dapagliflozin群ではUACRが23.5%低下した(95%CI -37.6 to -6.3)。
重篤な腎関連有害事象は認めなかった。
●結論 高血圧を有する2型糖尿病患者において,dapagliflozinはアルブミン尿低下に有効であり,HbA1c・SBP・体重・eGFRの変化を調整後もアルブミン尿低下作用が認められた。