編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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FLAT-SUGAR Trial Investigators: Glucose Variability in a 26-Week Randomized Comparison of Mealtime Treatment With Rapid-Acting Insulin Versus GLP-1 Agonist in Participants With Type 2 Diabetes at High Cardiovascular Risk. Diabetes Care. 2016; 39: 973-81. [PubMed]

今回のFLAT-SUGAR trialでは,基礎インスリンにexenatideを2回の食事の前に投与するほうが基礎インスリンに速効型インスリンアナログを毎食前に投与するより,HbA1c維持作用は同等であっても,血糖変動係数(CV)が改善することが示された。血糖変動性(GV)については,両群で低く保たれ,低血糖,心電図モニタリング中の不整脈には群間差がなかったが,exenatide追加群で体重減少度も大きく,ALTや血清アミロイドAなどの心代謝リスクマーカーが軽減した。これらの結果より,GVを低下させる血糖降下療法は,長期的には合併症である心血管疾患を減少させるのにより有用と考えられるが,さらなる検討が必要であろう。【片山茂裕

●目的 心血管リスクの高いインスリン療法を要する2型糖尿病患者において,インスリンへのGLP-1受容体作動薬exenatide追加による血糖変動性(GV)とHbA1cへの効果を検討した。
主要評価項目は,連続血糖モニタリング(CGM)で評価した血糖変動係数(CV)の26週後の変化。
●デザイン 無作為,オープン,多施設(12施設)。
●試験期間 登録期間は2012年8月~2014年1月。試験期間は26週。
●対象患者 102例:診断後>12ヵ月の心血管リスクの高い2型糖尿病患者。男性63%。平均62歳。平均罹病期間15年。
登録基準:インスリン使用≧3ヵ月,40~75歳,心血管イベント既往または心血管リスクを上昇するマーカー≧2つ,HbA1c 7.5~8.5%,BMI<45kg/m2,空腹時C-ペプチド≧0.5mg/mL。
●方法 8~12週のmetforminと基礎-ボーラスインスリン療法(BBI)によるrun-in期間後,metforminと基礎インスリン(glargine)は継続し,exenatide+インスリン群(GLIPULIN群),速効型インスリンアナログ(aspart,glulisine,lispro)継続群(BBI群)に無作為割り付けた。
CGM,低血糖,体重,リスクマーカー,不整脈によりGVを評価した。
●結果 割り付け時のHbA1c中央値はGLIPULIN群7.3%,BBI群7.4%,血糖CVはGLIPULIN群31.9,BBI群30.3であり,26週後のHbA1cは両群で同等であったが(GLIPULIN群7.1%,BBI群7.2%),平均CVはGLIPULIN群で有意に改善した(GLIPULIN群-2.4,BBI群0.4,p=0.047)。
他のGV評価項目もGLIPULIN群で非有意に改善し,CGM中の低血糖,心電図モニタリング中の不整脈には群間差がなかった。
GLIPULIN群はBBI群に比し,体重変化(-4.8,+0.7kg,p<0.001),アラニンアミノトランスフェラーゼ改善(p=0.0002),血清アミロイドA改善(p=0.023)が有意に良好であった。
●結論 心血管リスクの高い2型糖尿病患者において,HbA1c維持作用は同等であっても,exenatide+基礎インスリンはBBIよりGV,体重,特定の心代謝リスクマーカーを軽減し,長期的には心血管疾患を減少させると期待される。