編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Davis TM, Chubb SA, Bruce DG, Davis WA: Metabolic memory and all-cause death in community-based patients with type 2 diabetes: the Fremantle Diabetes Study. Diabetes Obes Metab. 2016; 18: 598-606. [PubMed]

糖尿病罹病期間が短い例においても,良好な血糖コントロールの維持が死亡率を抑制することが示された。一方,罹病期間が5年を超える群では,おそらくインスリン分泌の低下などからSUやインスリン療法が必要な例が増え,それが低血糖の発症につながり血糖コントロール良好群での死亡率を高めたのではなかろうか。いずれにしろ,罹病期間が長くなった糖尿病患者での死亡率が高い。罹病期間に関係なく,発症早期からのより緻密な治療が必須である。【河盛隆造

●目的 最近2型糖尿病と診断された患者において,厳格な血糖コントロールが死亡を抑制するか,また長期間にわたる糖尿病罹病は死亡リスクの増加と関連するかを検証した。
●デザイン コホート研究。
●試験期間 追跡期間は1群10.5±4.0年(試験開始から15.9±4.0年),2群10.9±3.6年(16.4±3.6年),3群9.9±4.2年(15.4±4.2年)。
●対象患者 531例:2型糖尿病,かつ年1回の評価(HbA1c値など)を5年以上(ベースラインおよび2001年5月までの計6回以上)実施した患者。平均年齢は糖尿病罹病期間<1年(1群)では67.2歳,1~<5年(2群)では66.9歳,≧5年(3群)では69.2歳(p=0.026),男性はそれぞれ51.0%,53.9%,56.9%。
●方法 ウエスタン・オーストラリア州の死亡記録システムWestern Australia Data Linkage System,およびFDS1データベース(1993年~2012年12月末)をリンクして使用した。
対象患者を,糖尿病罹病期間(<1年[1群,151例],1~<5年[2群,178例],≧5年[3群,202例])および平均HbA1c(≦6.6%[対照,HbA1c低レベル],6.7~8.0%[中レベル],≧8.0%[高レベル])にカテゴリー分けして死亡との関連について検討した。
●結果 死亡は1群51例,2群71例,3群106例であった。
HbA1cのレベル別に死亡リスクをみると,低レベルの症例に比べ,1群では中レベルで増加し(ハザード比[HR] 1.99,95%信頼区間1.003-3.94,p=0.049),2群では高レベルで増加した(HR 2.02,1.11-3.71,p=0.022)。一方3群では,中レベル(HR 0.57,0.35-0.92,p=0.022),高レベル(HR 0.56,0.32-0.96,p=0.035)ともに,独立して死亡リスクが低下した。
●結論 最近または新たに2型糖尿病の診断を受けた地域ベースの患者集団において,血糖コントロール不良は予後不良の指標であった。また糖尿病罹病期間が5年以上の患者では,厳格な血糖コントロールが独立して死亡リスクを高めた。