編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Lomonaco R, Bril F, Portillo-Sanchez P, Ortiz-Lopez C, Orsak B, Biernacki D, Lo M, Suman A, Weber MH, Cusi K: Metabolic Impact of Nonalcoholic Steatohepatitis in Obese Patients With Type 2 Diabetes. Diabetes Care. 2016; 39: 632-8. [PubMed]

本研究は欧米のBMI 35ほどの糖尿病患者を対象とした検討である。この程度のBMIでは,脂肪細胞のインスリン抵抗性は糖尿病の有無による違いはない。脂肪細胞のインスリン抵抗性は,糖尿病よりも脂肪肝の存在によって増大し,同程度の肝臓での脂肪蓄積でもAST/ALTが上昇しているNASHにおいてさらなる増大を認めるという知見は興味深い。
この結果が日本人でも当てはまるか否か,今後の検討が重要である。【綿田裕孝

●目的 肥満の2型糖尿病患者において,非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の代謝的影響を検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 -
●対象患者 154例:肥満患者。
除外基準:アルコール乱用歴,孤立性脂肪肝またはNASH以外の肝疾患,心疾患,呼吸器疾患,腎疾患。
●方法 対象患者を,対照群(2型糖尿病およびNAFLDのない18例)と2型糖尿病3群(NAFLDのない2型糖尿病群50例,孤立性脂肪肝を有する2型糖尿病群21例,NASHを有する2型糖尿病群65例)に分類した。
各群の肝内トリグリセリド量,経口糖負荷試験と正常血糖-高インスリン血症クランプ試験中のインスリン分泌/抵抗性を評価し比較した。
●結果 4群間で,性別,BMI,総体脂肪量に有意差はなかった。
肝内グリセリド量は,孤立性脂肪肝またはNASHを有する2型糖尿病群で上昇し,対照群とNAFLDのない2型糖尿病群では有意差がなかった。NASHを有する2型糖尿病群では,他の2型糖尿病群や対照群に比し,血漿トリグリセリドが上昇し,HDL-Cが低い傾向を認めた。
孤立性脂肪肝例に比し,NASH例ではインスリンによる血漿遊離脂肪酸(FFA)抑制率が有意に低く(33±3 vs 48±6%),脂肪組織インスリン抵抗性指数が有意に高かった(9.8±1.0 vs 5.9±0.8mmol/L・μIU/mL)。
インスリンによる血漿FFA抑制は肝内トリグリセリド蓄積量(r=-0.62),NAFLD活動性スコア重症度(rs=-0.52)と有意に関連した(いずれもp<0.001)。
NASHを有する2型糖尿病群では肝インスリン感受性も有意に低下し,空腹時血漿インスリンが上昇していた。
●結論 2型糖尿病を有する肥満患者において,NAFLDは高インスリン血症,脂質異常症,脂肪組織/肝インスリン抵抗性の重症度を増大した。