編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Diabetes Control and Complications Trial (DCCT)/Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications (EDIC) Study Research Group: Intensive Diabetes Treatment and Cardiovascular Outcomes in Type 1 Diabetes: The DCCT/EDIC Study 30-Year Follow-up. Diabetes Care. 2016; 39: 686-93. [PubMed]

1型糖尿病患者を対象とした臨床研究のマイルストーンともいえるDCCT/EDIC研究における,介入開始から30年経過した時点の心血管疾患についてまとめたサブ解析論文である。1型糖尿病において,このようなデータは他に存在せず,臨床上,非常に貴重なデータである。
その結果,30年における最初の10年間に強化療法を行うと,30年経過した時点での心血管疾患リスクが約3割減少することが明らかになった。
また,DCCT/EDIC期間中のHbA1c値が10%低下すると,心血管リスクが約30%低下するなど,具体的な値が示されている点も新しい知見である。
1型糖尿病における心血管のリスク減少において,最初の10年間の強化療法の効果が30年の長期にわたって持続することを示した,本サブ解析の結果は極めて重要である。
今後は,HbA1c値の低下のみだけではなく,低血糖のリスクも減少できたらどうなるのか等,さらなる良好な血糖コントロールを達成した場合の長期アウトカム試験の結果がまたれる。【西村理明

●目的 1型糖尿病患者において,発症早期に行った強化療法の心血管疾患(CVD)発症に対する長期効果を検討した。
主要評価項目は,CVD(非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中,心血管死,確認された狭心症,うっ血性心不全,冠動脈血行再建術)発症までの時間。
●デザイン 無作為化比較試験の延長試験。
●試験期間 DCCTの試験期間は1983~1993年,EDICは1994年に追跡開始。本解析は2013年12月31日追跡終了。
●対象患者 1441例:13~39歳の1型糖尿病患者。
●方法 DCCT期間中には,強化療法群(目標HbA1c<6.05%),従来療法群にランダム化。平均6.5年のDCCT試験を完遂した1394例を対象にEDICを実施した。
●結果 30年間の追跡中のCVDイベントは,強化療法群の82例において149件,従来療法群の102例において217件を認めた。
強化療法実施群では従来療法実施群に比べ,すべてのCVD発生率が30%低下し(95%CI 7 to 48,p=0.016),非致死的心筋梗塞+非致死的脳卒中+心血管死発生率が32%低下した(95%CI -3 to 56,p=0.07)。
DCCT/EDIC期間中のHbA1cの10%低下によりCVDリスクが28%低下した(95%CI 19 to 37,p<0.0001)。アルブミン尿も独立した関連がCVDリスクとの間に認められた。
●結論 1型糖尿病患者において,早期の強化療法は30年後のCVD発症リスクを低下させた。