編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Bhavadharini B, Anjana RM, Mahalakshmi MM, Maheswari K, Kayal A, Unnikrishnan R, Ranjani H, Ninov L, Pastakia SD, Usha S, et al.: Glucose tolerance status of Asian Indian women with gestational diabetes at 6weeks to 1year postpartum (WINGS-7). Diabetes Res Clin Pract. 2016; 117: 22-7. [PubMed]

GDM例を追跡調査した貴重な成績といえるが,OGTT時のインスリン分泌動態を同時に検索していればさらに多くの知見をもたらしてくれたのでは,と思わせる成績である。
妊婦が全てGDMになるわけではなく,特に家族歴がある例で多いことはよく知られている。臨床の場において,2型糖尿病患者さんの未婚の娘さんにOGTTをして,インスリン分泌動態が遅延し,かつ低い際には,前もって「GDMになりやすいですよ」と注意している場合が多く,実際にGDMになる率が高いことを実感している。
われわれは,妊娠母体のインスリン抵抗性に対抗して,膵β細胞のマスを増やすのに,セロトニンが関与していること,セロトニン合成酵素,tryptophan hydroxylase-1の酵素活性抑制や,食事中のtryptophan の制限がインスリン分泌の低下をもたらすことなどを証明した(Kim H, et al. Nat Med. 2010;16:804-8. [PubMed])。臨床では,元々低下しているインスリン分泌能に肥満などのインスリン抵抗性が加味されれば,ただちに食後過血糖を呈することが理解されよう。【河盛隆造

●目的 妊娠糖尿病(GDM)患者において,分娩後の耐糖能を評価し,分娩後血糖異常のリスク因子を検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 試験期間は2013年11月~2015年8月。
●対象患者 212例:インドのGDM患者。
●方法 分娩後6~12週目に経口糖負荷試験(OGTT)を実施。
多変量ロジスティック回帰モデルにより,分娩後血糖異常(糖尿病,前糖尿病)のリスク因子を特定した。
●結果 分娩後にOGTTを行ったのは203例(95.8%)であった。
分娩後6~12週目にOGTTを行った161例(79.3%)のうち,糖尿病型を呈した例は2例(1.2%),空腹時血糖値のみ上昇(IFG)は5例(3.1%),耐糖能異常(IGT)は13例(8.1%),IFG/IGT複合は5例(3.1%),耐糖能正常(NGT)への回復は136例(84.5%)であった。
分娩後12週目~1年目にOGTTを行った42例のうち,糖尿病型を呈した例は5例(11.9%),空腹時血糖値のみ上昇(IFG)は10例(23.8%),IFG/IGT複合は1例(2.4%),NGTへの回復は26例(61.9%)であった。
全血糖異常率は20.2%(41/203例)。
分娩後血糖異常の有意なリスク因子はBMI≧25kg/m2(オッズ比4.47,95%CI 1.8-11.2,p=0.001)であった。
●結論 GDM患者において,分娩後1年以内に20%以上が血糖応答異常を発症し,BMI≧25kg/m2では血糖異常リスクが4倍に上昇することが示された。