編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Nauck M, Rizzo M, Johnson A, Bosch-Traberg H, Madsen J, Cariou B: Once-Daily Liraglutide Versus Lixisenatide as Add-on to Metformin in Type 2 Diabetes: A 26-Week Randomized Controlled Clinical Trial. Diabetes Care. 2016; 39: 1501-9. [PubMed]

metformin単独療法で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者におけるGLP-1受容体作動薬であるliraglutideとlixisenatideのhead-to-headの比較試験である。liraglutideはC16の脂肪酸(palmitic acid)が26位のリジンに結合し,34位のアルギニンがリジン置換されたGLP-1アナログである。一方,lixisenatideはexendin-4の構造に類似しており,ヒトGLP-1とのアミノ酸の相同性は約50%であり,胃排出を抑制するため注射直後の食後の血糖値をよく低下させるといわれている。
これまでに4週間や8週間など短期間での両剤の比較が報告されていたが,今回の26週での比較は初めてのもので,貴重な検討といえる。注射直後の食後の血糖低下はlixisenatide群で大きかったが,全時間帯での差はなく,26週後のHbA1c低下度はliraglutide群で0.62%大きかった。lixisenatide群に比べてliraglutide群で,26週後の空腹時のCPRは7%,HPMA-βは28%大であり,proinsulin・proinsulin/CPRをそれぞれ16%,22%低下させた。血圧は両群で有意に低下したが,脈拍はlixisenatide群で1.1拍/分減少したのに比べてliraglutide群では2.5拍/分増加した。ただ,心血管疾患に及ぼす影響については,lixisenatideを用いたELIXA試験ではプラセボ群と差がないこと, liraglutideを用いたLEADER試験では3P-MACEがプラセボ群に比べて13%減少したことが報告されている。
以上,metforminに追加した場合にはliraglutideの方がlixisenatideより血糖コントロールの有効性が高いといえるが,リパーゼやアミラーゼの上昇の比率がliraglutide群で多かったことには注意していく必要があろう。【片山茂裕

●目的 metformin単独療法で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,GLP-1受容体作動薬liraglutide追加とGLP-1受容体作動薬lixisenatide追加の有効性と安全性を比較した。
主要評価項目は26週後のHbA1cの変化。
●デザイン 無作為,多施設(チェコ共和国,フィンランド,フランス,ドイツ,ハンガリー,イタリア,ラトビア,リトアニア,英国の56施設)。
●試験期間 試験期間は26週(2013年10月24日~2014年11月19日)。
●対象患者 404例:metformin単独療法で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者。
登録基準:≧18歳,HbA1c 7.5~10.5%,BMI≧20kg/m2,最大耐用量のmetformin投与期間≧90日。
●方法 liraglutide1.8mg/日(分1)追加群(202例),lixisenatide 20μg/日(分1)追加群(202例)にランダム化。
liraglutideは1日の自由な時間に注射とし,lixisenatideは朝食前または夕食前1時間以内に注射とした。
●結果 liraglutide群ではlixisenatide群に比し,26週後のHbA1c低下度が0.62%大きく(p<0.0001),HbA1c<7%達成率が高く(74.2% vs 45.5%,p<0.0001),HbA1c≦6.5%達成率が高く(54.6% vs 26.2%,p<0.0001),空腹時血糖の低下度が20.8mg/dL大きかった(p<0.0001)。1日9回測定したSMBGの平均血糖の低下度もliraglutideで13.5mg/dL大きかった(p<0.0001)。注射直後の食後血糖の上昇はlixisenatide群で小さかったが(p<0.05),全食事時間帯についてみると有意な群間差を認めなかった。26週後の体重減少は,liraglutide群4.3kg,lixisenatide群3.7kgであった(p=0.23)。
主な有害事象は両群ともに悪心,下痢,嘔吐で,liraglutide群では脈拍,リパーゼ,アミラーゼの上昇が大きかった。低血糖エピソードの頻度は低く,両群で同等であった。
●結論 metformin単独療法で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,liraglutide追加はlixisenatide追加より血糖コントロール改善効果が大きかったが,体重減少は同等であった。両剤ともに忍容性は良好で,低血糖リスクは低く,消化管有害事象プロファイルは同等であった。