編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Diabetes Control and Complications Trial (DCCT)/Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications (EDIC) Study Research Group: Mortality in Type 1 Diabetes in the DCCT/EDIC Versus the General Population. Diabetes Care. 2016; 39: 1378-83. [PubMed]

現在の治療環境においては,1型糖尿病であっても一般人と死亡率が変わらないことが証明された。しかし同時に,血糖コントロール状況を良好に維持することが大切であることも,この研究により証明されたといえよう。患者の生活の質を保つために,発症直後から低血糖を避け,かつ血管障害を発症させないように尽力すべきであろう。【河盛隆造

●目的 1型糖尿病患者(DCCT/EDIC試験参加例)の死亡率を米国の一般住民と比較した。
●デザイン 無作為化試験(DCCT試験)の追跡観察研究(EDIC試験)。
●試験期間 DCCT試験:登録期間は1983~1989年,治療期間は平均6.5年,試験終了は1993年。
EDIC試験:試験開始は1994年,追跡期間は21年(本論文の結果は2014年10月31日までのデータ)。
●対象患者 1,441例(DCCT試験):13~39歳の1型糖尿病患者。平均年齢27歳,糖尿病罹病期間6年,女性48%。EDIC試験への継続参加は1,394例。
除外基準:心血管疾患/高血圧/高コレステロール血症の既往。
●方法 DCCT試験では,強化治療群(711例)(インスリンポンプ,またはインスリン注射1日3回以上。HbA1c ≦7%)または標準治療群(730例)(HbA1c ≦9%)へのランダム化を実施した。DCCT試験終了後は全例に対し各地域の医療施設にて強化治療レジメンを推奨。EDIC試験での平均HbA1cは≦8%。
DCCT/EDIC試験における全死亡率を,米国一般住民の期待死亡率と比較するため,Poisson回帰モデルを用いて標準化死亡比(SMR)を求めた。また,2群間のSMRを比較するため,相対死亡率(RMR)を求めた。
米国一般住民の期待死亡率は,国立健康統計センターの2013年度の人口生命表より,年齢,性別,および米国一般住民の人種特有のリスクを用いて推定した。
●結果 全死亡は125例であった。米国一般住民での期待死亡率に対する,DCCT/EDIC試験全例でのSMRは1.09(95%信頼区間0.92-1.30)であり,そのうちDCCT強化治療群ではSMR 0.88(95%信頼区間0.67-1.16)と非有意ながら低く,DCCT標準治療群ではSMR 1.31(1.05-1.65,p=0.018)と有意に高かった。DCCT標準治療群の強化治療群に対するRMRは1.49であった(p=0.028)。
平均HbA1c値は死亡率と有意に関連し(p<0.0001),HbA1c値が1%増加するにつれて死亡率が74%増加した。また平均HbA1c値が高いほどSMRが高くなり, HbA1c>9%で急上昇した。女性では男性よりもSMRが高かった(1.19 vs. 0.99,p=0.464)。
●結論 DCCT/EDIC試験全例での全死亡率は米国一般住民の期待死亡率と同程度であったが,DCCT標準治療群の全死亡率は有意に高かった。平均HbA1c値が高いほど全死亡率も高くなり,特にHbA1c値>9%で高かった。また,全死亡率は男性よりも女性のほうが高かった。