編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Aronson R, Reznik Y, Conget I, Castañeda JA, Runzis S, Lee SW, Cohen O; OpT2mise Study Group. Sustained efficacy of insulin pump therapy compared with multiple daily injections in type 2 diabetes: 12-month data from the OpT2mise randomized trial. Diabetes Obes Metab. 2016; 18: 500-7. [PubMed]

2型糖尿病患者331例において,インスリンの頻回注射とインスリンポンプ療法の有効性を比較した研究である。その結果,インスリンポンプ療法のほうが,少ないインスリンを用いながら,HbA1cを有意に改善したことが示された。また,体重の変化量には両者に差が無かった。
本研究を基に,2型糖尿病患者において,インスリンの頻回注射とインスリンポンプ療法のどちらが合併症の発症・進展予防に有用なのか,さらには生命予後に関しても差が見られるのか否かを検討する研究が行われることに期待したい。【西村理明

●目的 基礎インスリン+食事時にインスリンアナログを投与している2型糖尿病患者において,インスリンポンプ療法と1日複数回注射療法(MDI)の有効性と安全性を比較した。
一次エンドポイントはベースラインから6ヵ月後のHbA1c値の変化。
●デザイン 無作為,パラレル,多施設(複数国),intention-to-treat解析。
●試験期間 登録期間は2010年12月~2013年5月,試験期間は12ヵ月(ランダム化期間6ヵ月+延長期間6ヵ月)。
●対象患者 331例:2型糖尿病患者。平均年齢はインスリンポンプ療法群55.5歳/MDI継続群56.4歳,男性56.0%/52.8%,糖尿病罹病期間14.9年/15.3年,HbA1c 9.0%/9.0%,体重97.3 kg/94.9 kg,BMI 33.5 kg/m2/33.2 kg/m2
登録基準:30~75歳,持効型溶解および速効型インスリンアナログ注射(0.5~1.8 U/kgを1日3回以上[最大220 U/日])を3ヵ月以上実施中の者,HbA1c≧8.0%かつ≦12.0%。
●方法 8週間のrun-in期間中に0.7 U/kg以上のインスリン注射でコントロール不良(HbA1c≧8.0%)であった患者を,インスリンポンプ療法群(168例),MDI継続群(163例)にランダム化して6ヵ月間追跡。その後,続けて全例でインスリンポンプ療法を6ヵ月間実施した(延長期間)。
インスリンポンプ療法は,1日の総インスリン量を一定にし,基礎インスリンと食事時インスリンの用量を均等にした。
全例で生活習慣・食事療法を継続したが,カーボカウントは実施しなかった。
●結果 一次エンドポイントであるHbA1cのベースラインから6ヵ月後の変化は,インスリンポンプ療法群(-1.1±1.2%)でMDI継続群(-0.4±1.1%,p<0.001)に比し,有意に大きく低下した(群間差-0.70%,95%信頼区間-0.9 to -0.4,p<0.001)。
ベースラインから12ヵ月後のHbA1cの変化は,インスリンポンプ療法群では-1.2%±1.14%であり,ランダム化6ヵ月間に得られた血糖降下作用は延長した6ヵ月後も維持されていた。延長した6ヵ月間にポンプ療法に切り替えしたMDI継続群では-0.8±1.2%(p<0.0001)の低下となり,12ヵ月後のHbA1c値は最終的には両群で同程度となった。
ランダム化6ヵ月間における1日の総インスリン量は,インスリンポンプ療法群でMDI継続群よりも20.4%少なく,延長した6ヵ月間も用量は安定していた。MDIからインスリンポンプに切り替えた群では延長した6ヵ月後に19%減少し,12ヵ月後における1日の総インスリン量は両群同程度であった。体重増加(+2.1 kg vs. +2.3 kg)に群間差を認めず,ケトアシドーシスは両群ともみられなかった。重症低血糖は,ランダム化6ヵ月間に各群に1例ずつみられた。
●結論 コントロールが不良な2型糖尿病患者において,インスリンポンプ療法は血糖コントロールにおいて持続的な効果を示した。