編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Look AHEAD Research Group. Association of the magnitude of weight loss and changes in physical fitness with long-term cardiovascular disease outcomes in overweight or obese people with type 2 diabetes: a post-hoc analysis of the Look AHEAD randomised clinical trial. Lancet Diabetes Endocrinol. 2016; 4: 913-921. [PubMed]

肥満糖尿病患者において心血管イベント発症を防止するためには,十分な体重減少を図ること,その手段として身体活動量を高めることのみではなく,食事量の制限が重要であることが本研究により証明されたといえよう。近年,心血管イベントハイリスク例において,SGLT2阻害薬によりその発症が防止されたとの報告が見られるが,薬剤による体重減少が貢献していたのかもしれない。【河盛隆造

●目的 過体重/肥満の成人2型糖尿病患者において,体重変化またはフィットネスの変化は,心血管疾患発症リスクに影響するかどうかを検証した。
一次エンドポイントは心血管死,非致死性急性心筋梗塞,非致死性脳卒中,および狭心症による入院の複合。二次エンドポイントは,一次エンドポイントに加え,冠動脈バイパス術,頚動脈内膜切除,PCI,うっ血性心不全による入院,末梢血管疾患,および全死亡の複合。
●デザイン Look AHEAD(無作為,複数施設[16施設,米国])のpost-hoc解析。 
●試験期間 登録期間は2001年8月22日~2004年4月30日,追跡期間(中央値)は10.2年。
●対象患者 5,145例:45~76歳の過体重/肥満の2型糖尿病患者。平均58.7歳,BMI 36.0kg/m2,糖尿病罹病期間平均6.8年。
登録基準:,BMI≧25.0kg/m2(インスリン投与例では≧27.0kg/mm2)。
除外基準:HbA1c≧11%,収縮期血圧≧160mmHg,拡張期血圧≧110mmHg,トリグリセリド値≧600mg/dL,maximal運動試験を完遂できない者,2週間の自己管理による食事/活動ができない者。
●方法 Look AHEADでは,強化ライフスタイル介入群(減量目的の生活習慣介入,フィットネスの増強),対照群(糖尿病サポート,教育)にランダム化した。
本サブ解析では,介入群と対照群を統合し,全対象をベースラインから1年後までの体重変化,およびフィットネス(代謝当量)の変化によりカテゴリー分けし,心血管疾患発症のハザード比を求めた(体重変化に関する解析対象は4,834例,フィットネスの変化に関する解析対象は4,406例)。さらに,対照群全例に対し,強化ライフスタイル介入群の各カテゴリーにおける心血管疾患発症のハザード比を求めた。
●結果 1年以内に体重が10%以上減少した患者では,体重が増加/安定していた患者にくらべ,一次エンドポイントの発生率が21%低く(調整ハザード比[HR]0.79,95%信頼区間0.64-0.98,p=0.034),二次エンドポイントの発生率が24%低かった(調整HR 0.76,0.63-0.91,p=0.003)。体重変化のカテゴリー間の比較では,二次エンドポイントの発生に有意な関連を認めたが(p for trend 0.006),一次エンドポイントの発生については有意な関連を認めなかった(p for trend 0.17)。
1年以内にフィットネス量が増加するほど,一次エンドポイント(p for trend 0.03),二次エンドポイント(p for trend 0.0031)ともに発生率が有意に低下した。フィットネス量が大幅に増加した患者では,フィットネス量が低下/安定していた患者にくらべ,二次エンドポイントの発生率が有意に低かったが(調整HR 0.77,0.61-0.96,p=0.023),一次エンドポイントの発生に有意差はみられなかった(調整HR 0.78,0.60-1.03,p=0.079)。
強化ライフスタイル介入群で体重が10%以上減少した患者では,対照群にくらべ,一次エンドポイントの発生率が20%低く(調整HR 0.80,0.65-0.99,p=0.039),二次エンドポイントの発生率が21%低かった(調整HR 0.79,0.66-0.95,p=0.011)。また,強化ライフスタイル介入群のフィットネス変化のいずれのカテゴリーも,一次エンドポイント,二次エンドポイントともに,対照群との有意な差を認めなかった。
●結論 2型糖尿病患者において,減量の度合いは心血管疾患の発症と関連する可能性が示唆された。