編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Increased Risk of Incident Chronic Kidney Disease, Cardiovascular Disease, and Mortality in Patients With Diabetes With Comorbid Depression. Increased Risk of Incident Chronic Kidney Disease, Cardiovascular Disease, and Mortality in Patients With Diabetes With Comorbid Depression. Diabetes Care. 2016; 39: 1940-1947. [PubMed]

うつ病が糖尿病患者における網膜症やアルブミン尿の頻度を高めるとの成績は今までにも報告されているが,腎機能の低下をもたらし,CKDの発症率を約20%増加させるとの報告は初めてかもしれない。一方,うつ病が全死亡やCHD,脳梗塞を増やすとの報告はこれまでにもあり,退役軍人での今回の結果も多少の程度の差はあるが,ほぼ一致する成績である。糖尿病患者での効果的なうつ病の治療が,CKDやCHDおよび脳卒中の発症を減少させ得るかどうか,介入試験が望まれる。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,うつ病の合併は,慢性腎臓病(CKD),死亡,および心血管イベント発症リスクと関連するかを検討した。
●デザイン コホート研究。
●試験期間 登録期間は2004年10月1日~2006年9月30日。追跡期間中央値は,CKD発症は2,659日,全死亡は2,916日,冠動脈性心疾患(CHD)発症は2,451日,脳卒中発症は2,453日(2013年7月26日まで)。
●対象患者 933,211例:糖尿病(HbA1c>6.4%,または血糖降下薬の使用)の米国退役軍人。平均年齢は64歳,男性は97%,eGFRは82mL/分/1.73m2。採用基準:eGFR≧60mL/分/1.73m2
●方法 CKD発症は,90日以上間隔を開けた2回の測定でeGFR<60mLl/分/1.73m2,かつベースライン時のeGFR値が>25%低下した場合とし,うつ病の合併はICK-9-CMコードによるうつ病,または抗うつ薬の使用と定義した。
対象を抑うつ合併者(340,806例)と非合併者(592,405例)に分けて,うつ病とCKD,死亡,心血管イベント発症との関連についてCox比例回帰を用いたハザード比(HR)により検討した。
●結果 うつ病合併例は非合併例よりも若く(61歳 vs. 65歳),eGFR値が高く(84±15 mL/分/1.73m2 vs. 81±14 mL/分/1.73m2),併存疾患が多かった。
追跡期間におけるCKDの発症は180,343例(19%),全死亡は253,763例(27%),CHD発症は40,016例(4.5%),脳卒中発症は25,729例(3%)であった。
合併例では非合併例にくらべ,CKD(21% vs. 18%,調整HR 1.18,95%信頼区間1.17-1.20),全死亡(29% vs. 26%,調整HR 1.30,1.28-1.31),CHD(10.3/1,000人・年 vs. 6.9/1,000人・年,調整HR 1.22,1.19-1.24),脳卒中(6.4/1,000人・年 vs. 4.5/1,000人・年,調整HR 1.32,1.28-1.36)の発症リスクが有意に高かった。
●結論 糖尿病にうつ病を合併する人では,合併しない人にくらべ,CKD発症リスクが増加した。