編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Grübler MR, Gaksch M, Kienreich K, Verheyen N, Schmid J, Ó Hartaigh B, Richtig G, Scharnagl H, Meinitzer A, Fahrleitner-Pammer A, März W, Tomaschitz A, Pilz S. Effects of vitamin D supplementation on glycated haemoglobin and fasting glucose levels in hypertensive patients: a randomized controlled trial. Diabetes Obes Metab. 2016; 18: 1006-12. [PubMed]

ビタミンD不足は心血管イベント発症や2型糖尿病発症の原因となること,ビタミンD補充が膵β細胞インスリン分泌能を高めることが,今までの成績から知られていた。今回,小規模研究ではあるが,血中ビタミンDレベルが低下している肥満患者へのビタミンD補充が,HbA1cの改善をもたらすことが示された。今後はその機序の詳細な解明などが求められよう。【河盛隆造

●目的 動脈性高血圧の肥満患者において,ビタミンD補給の血糖コントロールに対する有効性を検証した。
●デザイン ランダム化比較試験(二重盲検,単施設[オーストリア],intention-to-treat解析)のpost hoc解析。
●試験期間 試験期間は2011年~2014年8月。
●対象患者 200例(試験完遂は185例):18歳以上で25-ヒドロキシビタミンD(25[OH]D)濃度<30ng/mLの動脈性高血圧患者。
平均年齢は60歳,女性は47%,BMI 30.4 kg/m2,HbA1c 6.3±1.1%, 25(OH)D 21.2±5.6 ng/mL。2型糖尿病はプラセボ群30%,ビタミンD群23%。
●方法 対象者をビタミンD群(100例,ビタミンD3 2,800 IU/日を服用),プラセボ群(100例)に1:1にランダム化し,8週間追跡。男女で層別化し,置換ブロック(ブロックサイズ10)ランダム割付を実施した。
ANCOVAを用いて,ビタミンD3(25[OH]D濃度)と血糖コントロールとの関連を検討した。
●結果 HbA1cはビタミンD群(ベースライン44.0±11.5→追跡時42.8±9.1 mmol/mol)でプラセボ群(45.6±12.1→46.1±12.4mmoll/mol)にくらべ,有意に低下した(群間差-3.52 mmol/mol,95%信頼区間-6.7 to -0.34,p=0.045)。空腹時血糖値は,ビタミンD群(116.2±40.8→115.4±36.6 ng/dL)とプラセボ群(118.8±42.7→121.1±43.8 ng/dL)で有意な差を認めなかった(群間差-7.24 mmol/mol,-18.90 to 4.23 mmol/mol)。HOMA-IRも,ビタミンD群(2.02→2.46),プラセボ群(1.65→1.91)で有意な差を認めなかった(0.31,-0.67 to 1.28,p=0.543)。
●結論 25(OH)D低値で肥満の高血圧患者において,ビタミンD補給はHbA1c値を低下させることが示唆された。