編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Yajima T, Yajima K, Hayashi M, Takahashi H, Yasuda K. Efficacy and safety of teneligliptin in addition to insulin therapy in type 2 diabetes mellitus patients on hemodialysis evaluated by continuous glucose monitoring. Diabetes Res Clin Pract. 2016; 122: 78-83. [PubMed]

重度の腎機能障害を来した糖尿病患者では,SU剤のような従来の経口血糖降下薬は薬剤の血中濃度が高まり低血糖を来しやすくなるので使用を控えることとなり,血糖コントロールはもっぱらインスリン自己注射によらざるを得なかった。ただ,低血糖を回避するために,透析日と非透析日でインスリン投与量を変更するなど,患者も医療サイドも難渋することがあった。
ところが,血液透析中の患者を含めて重度の腎機能障害を来した糖尿病患者においてもDPP-4阻害薬は投与が可能であり,特にlinagliptinやteneligliptinのような胆汁排泄経路を有するDPP-4阻害薬は用量を調節することなく投与が可能となった。本報告は,インスリンを使用中の患者さんにインスリンを減量したうえでteneligliptin 20mg/日を追加投与した際の血糖変動をCGMで測定した,貴重な検討といえる。teneligliptinの追加投与により,インスリン投与量を1/3に減量しても同等の血糖プロファイルが得られ,透析日の最小血糖値が79mg/dLに上昇し,無症候性の低血糖の頻度が38.1%から19.0%に半減し,その有効性と安全性と示されたといえる。【片山茂裕

●目的 血液透析(HD)を行っている2型糖尿病患者において,インスリン療法へのDPP-4阻害薬teneligliptin追加の有効性と安全性を検討した。
●デザイン 観察研究。
●試験期間 登録期間は2014年9月~2015年8月。追跡期間は24週。
●対象患者 21例:HDを週3回行っている2型糖尿病患者。70.4±8.0歳。男性16例,女性5例。
除外基準:1型糖尿病。
●方法 インスリン用量を調整後,持続血糖測定(CGM)を用いて,HD日および非HD日の血糖値(BG)を評価。4日目にteneligliptin 20mg/日(分1)を追加後,インスリンを減量し,HD日と非HD日のBGを評価した。
●結果 teneligliptin追加後,1日インスリン用量の中央値は18Uから6Uに有意に減少した(p<0.0001)。
HD日および非HD日の最大BG,平均BG,BG標準偏差は,teneligliptin追加後の有意な変化は認められなかったが,HD日の最小BGは追加後に有意に上昇した(3.9→4.4mmol/L[70.2→79.2mg/dL],p=0.040)。
CGMで検出されたHD日の無症候性低血糖発生率は,teneligliptin追加後に有意に低下した(38.1→19.0%,p=0.049)。
●結論 HDを行っている2型糖尿病患者において,インスリン療法へのteneligliptin追加は1日インスリン用量を減少させ,HD日の低血糖イベントを予防することが示唆された。