編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Bajaj HS, Venn K, Ye C, Patrick A, Kalra S, Khandwala H, Aslam N, Twum-Barima D, Aronson R. Lowest Glucose Variability and Hypoglycemia Are Observed With the Combination of a GLP-1 Receptor Agonist and Basal Insulin (VARIATION Study). Diabetes Care. 2017; 40: 194-200. [PubMed]

この成績がDiabetes Care誌に掲載されたことに驚きを隠せなかった。なぜなら,本研究は同一対象にクロスオーバーで治療法を変化させて比較したものでもなく,種々の治療を受けている例を,わずか6日間のみ調査した成績であるからだ。さらに指標はCGMでの記録のみである。CGMSはいうまでもなく,皮下組織間隙組織液ブドウ糖濃度をセンサーで測定し,時々のSMBGによる血糖値に合うように調整して,あたかも血糖値のように表示しているに過ぎない。食後の血糖値の急上昇などには対応できない難点も承知しておくべきであろう。このようなCGMSの成績のみから,24時間中の血糖値が70mg/dL以下であった時間が2.9分などと結論付けるのは早計であろう。【河盛隆造

●目的 基礎インスリン+経口糖尿病治療薬(OAD)療法(BO),基礎インスリン+GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)療法(BGLP),混合型インスリン療法(PM),基礎-ボーラスインスリン療法(BB)で血糖コントロール良好の2型糖尿病患者において,血糖変動性(GV)を比較した。
主要評価項目は,持続血糖モニタリング(CGM)で評価した平均1日血糖標準偏差(SD)。
●デザイン コホート,3施設(カナダ)。
●試験期間 登録期間は2013年11月~2014年12月。
●対象患者 160例:4種類のインスリン療法で血糖コントロール良好の2型糖尿病患者(各療法40例ずつ)。
登録基準:18~80歳,BMI≦45kg/m2,HbA1c≦7.5%,総インスリン用量安定で長時間作用型インスリンの最小用量≧10U/日かつインスリン療法期間≧6ヵ月,OADまたはGLP-1RA用量が3ヵ月以上安定の者。
除外基準:1型糖尿病,3ヵ月以内の推算糸球体濾過量<40mL/分または測定血清クレアチニン濃度>2mg/dL,強化減量プログラムへの参加,重度の胃不全麻痺の既往,3ヵ月以内の重度低血糖反応,BGLP以外でのGLP-1RA治療。
●方法 盲検CGMを6日間実施し,各群の平均1日血糖SDを比較した。低血糖の定義は,センサー血糖<70mg/dLとした。
●結果 年齢,BMI,2型糖尿病の罹病期間,ベースラインのHbA1cを調整後,BGLP群の平均1日血糖SDは30.6±9mg/dLで,BO群(34.2±9mg/dL),PM群(36.0±10.8mg/dL),BB群(37.8±9mg/dL)より有意に小さかった(それぞれp=0.03,p=0.01,p<0.01)。
BGLP群の1日の低血糖の時間は2.9分で,BO群(7.3分),PM群(23.6分),BB群(31.1分)より少なかった。
●結論 基礎インスリン+GLP-1RA療法を行っている2型糖尿病患者は,GVが最も小さく,低血糖が最も少なかった。