編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Abd El Aziz MS, Kahle M, Meier JJ, Nauck MA. A meta-analysis comparing clinical effects of short- or long-acting GLP-1 receptor agonists versus insulin treatment from head-to-head studies in type 2 diabetic patients. Diabetes Obes Metab. 2017; 19: 216-227. [PubMed]

経口薬にて血糖コントロール不良が不十分な患者において,GLP-1受容体作動薬追加とインスリン追加を比較した検討である。体重増加および低血糖なく血糖コントロールが改善したという意味では,本検討の結果,明らかにGLP-1受容体作動薬が勝る。しかし実臨床においては,インスリン分泌が顕著に低下しているケースではインスリン治療が不可欠な症例も多々あり,個別治療が重要である。【綿田裕孝

●目的 経口血糖降下薬投与下の2型糖尿病患者において,GLP-1受容体作動薬(GLP-1 RA)を追加した場合の臨床転帰をインスリン治療の追加と比較した。
一次エンドポイントはベースラインから試験終了までのHbA1cの減少。
●デザイン システマティックレビュー,メタアナリシス。
●試験期間
●対象患者 7,484例(GLP-1 RA投与3,976例,インスリン投与3,508例):ランダム化比較試験[RCT]19件。
試験の採用基準:前向きRCT,かつ経口血糖降下薬投与下の2型糖尿病患者においてGLP-1 RAと長時間作用型/混合型インスリン製剤を直接比較した試験,または基礎インスリン投与下(経口血糖降下薬投与/非投与に関わらない)でGLP-1 RAと即効型インスリンを直接比較した試験。かつ試験期間12週以上で,各治療群の対象者数25例以上,および有害事象の報告をしている試験。
●方法 PubMedを以下の検索語を用いて検索した。
“GLP-1 receptor agonist,” “insulin,” “insulin glargine,” “insulin detemir,” “insulin aspart,” “insulin lispro,” “exenatide,” “liraglutide,” “lixisenatide,” “albiglutide,” “dulaglutide” and “taspoglutide.”
さらにメタ解析およびレビューも含め,参照文献も検索。
二名が論文のタイトルおよびアブストラクトをスクリーニングし,第三者が最終決定した。
●結果 HbA1cは,全GLP-1 RAでインスリンにくらべ有意に低下したが(-0.12%[95%信頼区間-0.16 to -0.07],P<0.0001;Q=15.0異質性のP=0.022),空腹時血糖値はGLP-1 RAよりも基礎インスリンで有意に低下した(-1.8 mmol/L [1.7 to 1.8],P<0.0001;Q=5.88,異質性のP=0.015)。
体重は,インスリンにくらべGLP-1 RAで有意に減少した(-3.7 kg [-3.9 to -3.5],P<0.0001)。
低血糖エピソードを経験した患者の割合は,GLP-1 RAで34%低く(P<0.0001),重症低血糖も同様の傾向であった。収縮期血圧はGLP-1 RAのほうが低く,心拍数はGLP-1 RAのほうが高かった(P<0.0001)。トリグリセリドとLDL-CはGLP-1 RAで有意に低下した。
●結論 経口血糖降下薬へのGLP-1 RAの追加は,インスリンを追加した場合にくらべ,血糖コントロールがわずかに良好となり,体重,低血糖,血圧およびリポタンパク質に関する付加的ベネフィットが示された。