編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2017年9月現在,1114報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Wan EY, Fung CS, Yu EY, Fong DY, Chen JY, Lam CL. Association of Visit-to-Visit Variability of Systolic Blood Pressure With Cardiovascular Disease and Mortality in Primary Care Chinese Patients With Type 2 Diabetes-A Retrospective Population-Based Cohort Study. Diabetes Care. 2017; 40: 270-279. [PubMed]

血圧の診察間変動を大きくする要因としては,血圧コントロールレベルはもとより,服薬のコンプライアンス,降圧薬の種類と量,季節変動,血圧測定環境等々のほか,患者側の身体的・精神的要因がある。血圧の診察間変動の大きさと心血管イベントとの関連性はこれまでも指摘されており,日常診療においてもその日の血圧値だけでなく,過去のデータを振り返ってみることも大切である。【景山 茂

●目的 プライマリーケアの中国人2型糖尿病患者において,収縮期血圧(SBP)の診察間変動性(visit-to-visit variation[VVV])と心血管疾患(CVD)/死亡リスクの関連を検討した。
●デザイン レトロスペクティブ,コホート,多施設(香港74施設)。
●試験期間 2008年8月1日~2009年12月31日の間に少なくとも1回のSBP記録のある2型糖尿病患者。2013年12月31日追跡終了。追跡期間は38.5~39.5ヵ月(中央値)。
●対象患者 124,105例:プライマリーケアの中国人2型糖尿病患者。平均63.2±11.3歳。女性55.6%。平均罹病期間6.2±6.5年。
登録基準:≧18歳,CVDの臨床的診断のない者。
除外基準:SBP測定数<5回。
●方法 24ヵ月間のSBP SDを用いてSBP VVVを算出した。
Cox比例ハザード回帰を用いて,SBP VVVによるCVD(冠動脈心疾患,脳卒中,心不全),全死亡,CVD+全死亡のリスクを評価した。
年齢,性別,糖尿病の罹病期間,慢性腎臓病,ベースラインのSBP,SBP推移,降圧薬使用数,降圧薬のクラスについてのサブグループ解析を実施した。
●結果 SBP VVVとCVDおよび全死亡の初回発生には線形の正相関を認めた。
CVD,全死亡,CVD+全死亡の発生率は,SBP SD<5mmHgの患者で最も低く,SBP SD≧10mmHgの患者で有意に上昇した。
SBPの1SD上昇ごとに,CVDリスクは2.9%上昇(95%CI 2.4-3.4%),全死亡リスクは4.0%上昇(95%CI 3.5-4.6%),CVD+全死亡リスクは3.4%上昇(95%CI 3.0-3.8%)した。
サブグループ解析でも同様の線形の相関が認められた。
●結論 2型糖尿病患者において,平均SBPレベルにかかわらず,SBP VVVはCVDおよび全死亡の予測因子であることが示唆された。