編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Nachum Z, Zafran N, Salim R, Hissin N, Hasanein J, Gam Ze Letova Y, Suleiman A, Yefet E. Glyburide Versus Metformin and Their Combination for the Treatment of Gestational Diabetes Mellitus: A Randomized Controlled Study. Diabetes Care. 2017; 40: 332-337. [PubMed]

GDMが発見されるやいなや,正常血糖応答を維持することが求められる。
ガイドラインでは,インスリンのみならずmetforminもSU薬も推奨されている。近年の発表では,gliburideは胎盤を通過し,胎児の体重増加や低血糖などを引き起こす可能性が指摘されている。必要であればmetforminに最小有効量のSU薬を追加し,さらに必要であればインスリンを用いることが臨床の場では多用されるであろう。【河盛隆造

●目的 妊娠糖尿病(GDM)患者において,スルホニル尿素薬glyburideとmetforminの有効性と安全性を比較し,さらに有害事象(AE)による薬剤変更後または治療無効による薬剤追加後の血糖コントロール改善を検討した。
主要評価項目は1次薬後の治療無効率と血糖コントロール率。
●デザイン オープンラベル,パラレル,無作為,単施設(イスラエル)。
●試験期間 登録期間は2012年1月5日~2014年6月6日。
●対象患者 104例:妊娠13~33週に診断されたGDM患者。
登録基準:18~45歳,食事療法単独下での血糖コントロール不良により薬物療法を必要とする者。
除外基準:妊娠24週以前の妊娠期間が不明,前GDMまたは妊娠初期の空腹時血糖≧105mg/dL,24週以前の子宮内胎児発育遅延の疑い,主要な致死的先天性異常。
●方法 glyburide 2.5~20mg/日群(53例),metformin 850~2550mg/日群(51例)にランダム化。
治療無効の定義は,血糖コントロール不良(食前血糖>95mg/dL,食後血糖>130mg/dL,平均1日血糖>100mg/dL)または投与中止をきたす薬剤関連AEとした。
血糖コントロール不良の場合はもう一方の薬剤を追加し,AEの場合はもう一方の薬剤に変更した。追加薬および変更薬のいずれもが無効の場合はインスリンを投与した。
●結果 1次薬後の治療無効率は,glyburide群とmetformin群で同等であった(18例[34%] vs. 15例[29%],p=0.6)。AEによる投与中止は,glyburide群6例(低血糖),metfomin群1例であった(消化管障害)。
2次薬後の治療成功率はは,glyburide群よりmetformin群で高かった(9/18例[50%] vs. 13/15例[87%],p=0.03)。
インスリン治療の実施率はglyburide群のほうが高かった(9例[17%] vs. 2例[4%],p=0.03)。
glyburide+metformin併用によりインスリン治療の必要性が低下した(33例[32%]→11例[11%],p=0.0002)。
平均1日血糖,他の産科的・新生児アウトカム(巨大児,新生児低血糖,電解質平衡異常)に有意な群間差は認められなかった。
●結論 経口GDM治療における血糖コントロールとAEにおいてglyburideとmetforminは同等で,両剤併用による有効性は高く,インスリンの必要性が低下した。