編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Bain S, Druyts E, Balijepalli C, Baxter CA, Currie CJ, Das R, Donnelly R, Khunti K, Langerman H, Leigh P, Siliman G, Thorlund K, Toor K, Vora J, Mills EJ. Cardiovascular events and all-cause mortality associated with sulphonylureas compared with other antihyperglycaemic drugs: A Bayesian meta-analysis of survival data. Diabetes Obes Metab. 2017; 19: 329-335. [PubMed]

SU薬と他の血糖降下薬との全死亡や心血管死に及ぼすリスクを検討した今回のメタアナリシスは,総じてSU薬がリスクを高めることを示したものといえる。これまでにも同様のメタアナリシスがいくつかあるが,採用基準の不備や薬剤のグルーピングの問題,分析方法の不備などの問題があり,必ずしも結論が一致していない。今回のメタアナリシスでも,SU薬とインスリンの比較では,全死亡リスクや心血管死リスクがRCTでは増加し,観察研究では逆に減少傾向になったり,信頼区間の幅が大きかったりと,一部に不十分な点はある。linagliptinとglimepirideを比較するCAROLINA試験や,pioglitazoneとSU薬を比較するTOSCA試験が進行中であり,早ければ2018年にも結果が明らかになる。SU薬の心血管疾患に及ぼす懸念に対する決定的な解答が出るものと期待される。【片山茂裕

●目的 2型糖尿病患者において,スルホニル尿素(SU)薬と他の血糖降下薬の心血管イベントと全死亡のリスクを比較した。
●デザイン システマティックレビュー,メタアナリシス。
●試験期間 -
●対象患者 無作為化比較試験82件および観察研究26件。
トライアルの採用基準:無作為化比較試験,前向き・後ろ向き観察研究および症例対照研究を含む非無作為化比較試験,未治療もしくは糖尿病治療薬を服用したことのある成人2型糖尿病患者を対象とした試験,SU単剤またはビグアナイドや他の糖尿病治療薬との併用による介入をしている試験,プラセボ対照/非介入または他の糖尿病治療薬と比較している試験,全死亡・心血管関連死・急性心筋梗塞および脳卒中をアウトカムとしている試験。
●方法 Medline,Embase,Cochrane Register of Controlled Trialsを用いて,成人の2型糖尿病患者を対象にSU薬とプラセボまたは他の血糖低下薬を比較した2014年12月までの研究を検索。
Bayesianフレームワーク内でcloglogモデルを用いてハザード比(HR)を算出。
観察データの解析には,従来の固定効果ペアワイズメタアナリシスを使用した。
●結果 他の治療の統合と比較すると,SU薬では全死亡リスク(HR 1.26,95%CI 1.10-1.44),心血管死リスク(HR 1.46,95%CI 1.21-1.77)が有意に上昇した。
SU薬の心筋梗塞リスクは,DPP-4阻害薬(HR 2.54,95%CI 1.14-6.57),SGLT-2阻害薬(HR 41.80,95%CI 1.64-360.4)より有意に上昇した。
SU薬の脳卒中リスクは,DPP-4阻害薬(HR 9.40,95%CI 3.27-41.9),GLP-1受容体作動薬(HR 45.4,95%CI 1.99-362.7),チアゾリジン薬(HR 1.75,95%CI 1.20-2.69),インスリン(HR 1.46,95%CI 1.01-2.14)より有意に上昇した。
●結論 SU薬は他の血糖降下薬に比し,主要な心血管疾患関連イベントのリスクが上昇することが示された。