編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ishihara H, Yamaguchi S, Nakao I, Okitsu A, Asahina S. Efficacy and safety of ipragliflozin as add-on therapy to insulin in Japanese patients with type 2 diabetes mellitus (IOLITE): a multi-centre, randomized, placebo-controlled, double-blind study. Diabetes Obes Metab. 2016; 18: 1207-1216. [PubMed]

本検討では,平均164cm,体重69kgのインスリン療法下(平均インスリン投与量は15~30単位の者が42%を占めた)にある2型糖尿病患者にSGLT2阻害薬が追加投与された。16週間で体重減少は1kg,HbA1cは8.67%から0.8%降下した。高血糖があることから,尿糖排泄量は100g/日程度であったであろう。しかし,体重減少も血糖コントロール改善度もなぜこの程度にすぎなかったのであろうか?SGLT2阻害薬使用の目的は,正常血糖応答を維持し,インスリンを介することなく「糖毒性」を解消することにある。低血糖発症が30%もの高頻度でみられたことから,より緻密なインスリン療法で,よりよい血糖応答をめざす両群での比較検討がなされるべきであろう。【河盛隆造

●目的 インスリン治療の早期ステージの日本人2型糖尿病患者において,ipragliflozin追加の有効性と安全性を検証した。
一次エンドポイントは,ベースラインから治療16週後までのHbA1c値の変化。
●デザイン 無作為,二重盲検,多施設(43施設,日本),full-analysis-set解析(有効性),safety-analysis-set解析(安全性)。
●試験期間 登録期間は2014年3月~2015年3月,治療期間は16週。
●対象患者 262例:20歳以上,2型糖尿病(診断後12週以上経過)の患者。平均年齢はipragliflozin群58.7歳,プラセボ群59.2歳,男性はそれぞれ62.5%,58.6%,糖尿病罹病期間は151.1ヵ月,171.4ヵ月,平均HbA1cは8.67%,8.62%。インスリン製剤の種類は,混合型インスリン29.8%,27.6%,中間型インスリン6.5%,6.9%,持続型インスリン単独(glargine 40.4%,detemir 3.1%,degludec 20.8%)63.7%,65.5%。
採用基準:インスリンの処方を,単独/他の経口糖尿病治療薬との併用で,6週間以上の安定用量または8~40 units/日のレジメンにより受けている患者。HbA1c 7.5~10.5%,4週間のスクリーニング期間中のHbA1cの変化が1%以内の者,BMI 20.0~45.0 kg/m2
基礎インスリン分泌の補充を目的としたインスリン治療の早期ステージの場合は,混合型インスリン固定用量(速効型または超速効型のインスリン成分が全容量の30%を超えない範囲),中間型インスリン,または持続型インスリン単独の処方であれば可とした。DPP-4阻害薬使用中の場合は,登録前に固定容量で同薬剤を6週間以上処方され,試験期間中も同用量を継続する者であれば可とした。
●方法 4週間のスクリーニングおよび2週間の単盲検のプラセボrun-in後,ipragliflozin群(175例:50mg),プラセボ群(87例)にランダム化。DPP-4阻害薬使用の有無による層別化を実施。DPP-4阻害薬使用例はスクリーニング前にさらに4週間のwashout期間を設けた。
●結果 HbA1cの変化はipragliflozin群-0.79%,プラセボ群0.27%と有意な群間差を認めた(調整平均差[AMD]-1.07%,95%信頼区間-1.24 to -0.91,p<0.001)。ipragliflozin群でプラセボ群にくらべ,空腹時血糖値(AMD-40.3%,-48.9 to -31.7,p<0.001),血清Cペプチド値(AMD-0.07,-0.11 to -0.03,p<0.001),体重(AMD-1.07,-1.41 to -0.73,p<0.001)が有意に減少し,血清アディポネクチン値が有意に増加した(AMD 0.33,0.05-0.62,p=0.022)。
また,DPP-4阻害薬の使用(vs. 非使用)とipragliflozin治療(vs. プラセボ)との有意な相互関係が認められた(p=0.042)。
5%超にみられた有害事象は低血糖症のみであり(29.7% vs. 14.9%),5%未満にみられた有害事象は,尿路感染症(2.3% vs. 1.1%),生殖器感染症(4.0% vs. 0.0%)であった。
●結論 インスリン治療の早期ステージの2型糖尿病患者において,ipragliflozin追加は有効かつ忍容性良好であった。ipragliflozinの効果はDPP-4阻害薬との併用により顕著になった。