編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Chin SO, Rhee SY, Chon S, Baik SH, Park Y, Nam MS, Lee KW, Chun KH, Woo JT, Kim YS. Hypoglycemia is associated with dementia in elderly patients with type 2 diabetes mellitus: An analysis based on the Korea National Diabetes Program Cohort. Diabetes Res Clin Pract. 2016; 122: 54-61. [PubMed]

韓国の2型糖尿病患者約2千例を平均3.4年追跡し,低血糖イベントの有無と認知症発症リスクの関係を検討したコホート研究である。
対象症例の80%でmetforminが,65%でSU薬が,20%でインスリンが使用されていた。
昨今ではSU薬の使用比率が低下していると思われる。今後,SU薬以外の低血糖を起こしにくい薬剤を使用したアジア人のコホートにおいて,低血糖と認知症発症リスクを検討した検討も行われるべきであろう。【西村理明

●目的 2型糖尿病患者において,低血糖と認知症および認知機能障害との関連を検討した。
●デザイン 前向き,観察研究。
●試験期間 登録開始は2006年5月,観察終了は2014年3月。平均観察期間は3.4±0.9年。
●対象患者 1,957例:60歳以上の2型糖尿病患者。平均年齢は67.5歳,男性47%,平均糖尿病罹病期間7.8年。
除外基準:低血糖イベント,認知機能障害(認知症など),薬物乱用,頭部損傷,うつ病などの既往。
●方法 韓国の健康保険審査評価院(Health Insurance Review and Assessment Service of Korea:HIRAS)のデータ(2006年1月1日~2010年12月31日)を使用し,認知症および認知機能障害の発症について,低血糖イベント経験例(118例)と非発生例(1,839例)で比較した。
●結果 認知症発症率は,低血糖イベント経験例で非経験例にくらべて有意に高かったが(18.26 vs. 6.83例/1000人・年,p=0.0139),他の認知機能障害の発症率は低血糖イベント経験例と非経験例で有意な差を認めなかった(2.61 vs. 0.49例/1000人・年,p=0.1106)。
多変量(年齢,性別,喫煙,飲酒,ベースラインのBMI,拡張期血圧,糖尿病罹病期間,既往症,薬物治療歴,ベースライン時の総コレステロール,LDL-C,追跡期間におけるHbA1c,薬物治療)により調整後,低血糖イベント経験例では非経験例に対し,認知症発症リスクが有意に増加し(ハザード比2.689,95%信頼区間1.080-6.694,p=0.0335),低血糖イベントと認知症発症リスクは直線的な関連を示した(p=0.0286)。
●結論 60歳以上の韓国人2型糖尿病患者において,低血糖は認知症発症リスクと有意に関連した。