編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Pang WW, Colega M, Cai S, Chan YH, Padmapriya N, Chen LW, Soh SE, Han WM, Tan KH, Lee YS, Saw SM, Gluckman PD, Godfrey KM, Chong YS, van Dam RM, Chong MF. Higher Maternal Dietary Protein Intake Is Associated with a Higher Risk of Gestational Diabetes Mellitus in a Multiethnic Asian Cohort. J Nutr. 2017;147:653-660. [PubMed]

シンガポールに在住のアジア系民族での検討である。これまでの欧米人の成績からは,主なタンパク源である赤身の肉の摂取過剰がGMDリスクを高めることが認められている。今回の検討から,アジア系民族では,赤身の肉を避け,魚や乳製品からのタンパク摂取を増やす,ということもリスクを高めることが示された。的確な栄養指導の重要性が高まった。【河盛隆造

●目的 アジア系多民族の女性において,妊娠中の食事からのタンパク質摂取量と妊娠糖尿病(GDM)リスクの関連を検討した。
●デザイン コホート,横断研究。
●試験期間 登録期間は2009~2010年。
●対象患者 980例:18~46歳の単胎妊娠妊婦。
除外基準:化学療法施行中,向精神薬投与中,1型糖尿病,妊娠26~28週の経口糖負荷試験の実施なし,多胎妊娠,体外受精実施,24時間の食事想起が不十分な者,自己報告のエネルギー摂取量が非現実的な者(<800kcal/日など)。
●方法 妊娠26~28週時に24時間の食事想起と3日間の食事日誌による評価を行い,タンパク質摂取量を推定。
GDMは,妊娠26~28週時の空腹時血糖値≧7.0mmol/L(126mg/dL)および/または食後2時間値≧7.8mmol/L(140.4mg/dL)と定義。
多変量ロジスティック回帰解析を用いて,等カロリーモデルにおいて炭水化物をタンパク質に置き換えることにより食事からのタンパク質摂取量とGDMリスクの関連を評価した。
●結果 妊娠26~28週時にGDMであったのは175例(17.9%)。
年齢,民族,BMI,他の交絡因子を調整後,食事からのタンパク質摂取量が多いほどGDMリスクが上昇した。
タンパク質摂取量の第1四分位に対する第4四分位のオッズ比(OR)は2.15で(95%CI 1.27-3.62,p for trend=0.016),動物性タンパク質の場合(OR 2.87,95%CI 1.58-5.20,p for trend=0.001),植物性タンパク質の場合(OR 1.78,95%CI 0.99-3.20,p for trend=0.009)とも同様であった。
動物性タンパク質(赤身肉,鶏肉,魚介類,卵,乳製品)のうち,魚介類(OR 2.17,95%CI 1.26-3.72,p for trend=0.023)と乳製品(OR 1.87,95%CI 1.11-3.15,p for trend=0.017)はGDMリスクの上昇と顕著に関連していた。
●結論 動物性タンパク質,植物性タンパク質ともに,妊娠中の摂取量が多いとGDMリスクが上昇することが示された。